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無頼ママチャリ男

公民館をスタートした町おこし登山サイクリング大会の自転車が、一団となって山に向かっていく。

マウンテンバイクやロードバイクに紛れて、一台のママチャリを漕ぐ男がいた。

しかし彼は遅れることなく、皆についていく。

ママチャリ舐めんなよ!

彼はこの先の山奥の集落で20年以上自転車で新聞を配っていた。
一軒一軒の家が離れている上に、バイクでは通れないような畦道も走れる自転車は、最適だった。

とはいえ、このコースは山を登って又降りてくる30キロのコース。
彼は水分補給のペットボトルを前のカゴに入れて出発した。

しかし、

ガタン

自転車が跳ねた時、カゴからペットポトルが飛び出し、転がってどこかに行ってしまった。

あー水分が…

鍛えているとはいえ、ママチャリ男は徐々に一団から遅れ出した。

しかし彼は一向に気にしない。

一人だいぶ遅れてゴールした無頼のママチャリ男は、ゴールを切るとそのまま、

その先のスーパーにお茶買いに行ってくるわ

と言って走り去った。

ここまで本文409文字
これはたらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

お題は、裏お題「無頼ママチャリ」
無頼ってなんだ?
から始まった今回のチャレンジでした。

わたしは中高の頃、自転車で、かなりと遠くまでチャリで出掛けていました。
そしてママチャリに乗っていて、何かの衝撃でよくカゴからものが飛び出して、落としたことを思い出しました。
カゴにペットボトルはダメですね。

ちなみに彼が落としたペットボトルは、後からスタッフがちゃんと拾いました。
山にゴミを落としてはいけませんからね😜

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