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マーガリンの夢(毎週ショートショートnote】

マーガリンは、売り場の片隅で小さくなっていた。
少し前から、彼女に含まれるトランス脂肪酸は身体に良くない、悪玉コレステロールを増やし、癌や心臓病のリスクが高くなるなどと言われ、人々は彼女から離れていった。

彼女は、華々しく注目を浴びていた頃を思い出した。

真っ白い食パンに、たっぷりと塗られた私のCMを見て、人々が目を輝かせる。
お菓子作りにも、大活躍していた。
その頃私には、たくさんの仲間がいて、乳製品売り場の枢軸だった。

それなのに近頃は、今までカロリーが高く敬遠されがちだったバターが、再び人気だ。
塩バターロールや、あんバターなど、バターは誰かとコラボして、人々を誘惑している。

すっかり値上がりしたバターと違い、私たちは変わらぬ安さで、美味しさを提供しているのに

それに今私は、トランス脂肪酸を極力減らし、美味しく害が少ない身体に改良されつつあるんだから


再び枢軸マーガリンになる日を夢見て、彼女は、今日も売り場の片隅で、その日を待ち続けている。



ここまで 本文419文字

これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
に参加したものです。

こちらは今週の裏お題
「枢軸マーガリン」
で書いたものです。

子供の頃、パン食はほとんどなかったのですが、母がお菓子作りのために、でっかい缶に入ったマーガリンを使っていたことを思い出しました。
貧乏な学生時代は、安いマーガリンは、私の生活の良きパートナーでした。

最近はマーガリンを買うことも無くなりましたが、会社も身体に優しいマーガリンの開発に力を注いでいるのでしょう。
トランス脂肪酸を極力減らしたマーガリンもあるようです。


基本美味しいものは、脂肪と糖でできている、なんて言います。

バターもマーガリンも、甘いジャムなども、取りすぎは禁物ですが、
気分転換に、食べすぎない程度で美味しいものを食べるくらいなら、きっと害にはならないだろうと思います。

ただダイエット中はやはり控えたいですね。
(あんバターの誘惑に弱い私ですが)

カロリーが少なくて、身体に害がなくて、美味しいマーガリン、できるといいな。

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