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祖母と海とらっきょう【毎週ショートショートnote】

子供の頃、毎年ゴールデンウィークに家族みんなで祖母の家に行っていた。

祖母の家は海が近く、静かな夜は波の音が聞こえる。

海のない町で生まれ育った私と兄は、毎年祖母の家に行くのが、とても楽しみだった。
私たちは、貝を拾ったり、砂遊びをしたり、波と戯れたりして、毎日朝から晩まで海で遊んだ。

祖母の畑は、海沿いの砂丘にあった。
まるで大きな砂場のようなその畑は、
らっきょう畑だった。
ゴールデンウィークに、父母は、毎年らっきょうの出荷の手伝いに来ていたのだ。

らっきょうを収穫して砂を落とし、葉っぱを切って、土のついた一番上の皮を一つ一つ剥いでいくのは、なかなか大変な作業だ。
両親は、GW中ずっと朝から晩までその作業に追われていた。

祖母の家で出る、らっきょうの酢味噌和えやサラダ、天ぷらや炒め物なども、楽しみの一つだった。

祖母の家は、いつ行っても
壁に少々らっきょうの匂いが残っていた。

今でもらっきょうの匂いを嗅ぐと、私は祖母とあの海を思い出す。

本文ここまで  413文字

これはたらはかにさんの 
♯毎週ショートショートnoteに参加したものです。
今週の裏お題は
「壁に少々らっきょう」

このお話は創作ですが、らっきょうと言うと思い出す、らっきょう畑とその近くの海の風景があります。
砂の畑の中に、ネギのような細い葉っぱが出ていて、それを引っこ抜いて収穫していました。
私はその近くの海に、よく遊びに行っていたのです。
シーズンには、無人販売のらっきょうをたくさん買って帰りました。

らっきょうの匂いはなかなか強烈です。
毎年らっきょうを漬ける時に、根を切ったり皮を剥いたりと、下ごしらえをすると、部屋中らっきょうの匂いが充満します。
これを、長い期間やっていたら、きっと匂いが染みつくだろう…

オチらしいオチもないお話になってしまいましたが、懐かしい風景を思い出しながら書きました。

らっきょうは、甘酢漬けだけでなく、塩漬けにした塩らっきょうや、酢味噌和え、刻んでドレッシングやタルタルソースに入れても美味しいです。
玉ねぎのようにして、いろんな料理に使えます。
ぜひ、お試しください。
(この時期は、生らっきょうないですけどね😅)

らっきょう畑は見たことありますか?


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