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続 小夜の中山夜泣き石

昨日の記事の続きです。
昨日の記事はこちら↷

東海道の三大難所の一つ、小夜の中山峠の一番高いところにある峠の茶屋「扇屋」さんの東側に、久延寺きゅうえんじというお寺があります。

こちら、夜泣き石伝説ゆかりのお寺としても有名なお寺です。

立派な山門です。弘化4(1847)年に再建されたものだそうですです。
看板があったのですが・・・

見えませんよね・・・
久延寺は、奈良時代の行基が開祖と伝えられている真言宗の古刹です。

看板に描かれている絵は、(見にくいですけど)江戸時代に尾張藩の誰かがこのあたりの風景をスケッチした物とのことで、左側の建物が飴屋さん(扇屋さんの昔の姿かしら)とその先にうっすら久延寺の文字と屋根が見えます。

本堂はこんな感じ。今では住職さんはいないそうです。
何かの折には、どこかのお寺の方が来ると言っていました。

寂しい感じですが、以前は徳川家康が遠江とおとうみ(静岡県西部から中部の一部)平定時に本陣としたのを契機に、ゆかりの寺院として栄えたようです。
そして、関ヶ原合戦のきっかけとなる会津上杉攻めの軍を大坂より進めてきた家康を、掛川城主・山内一豊がもてなした茶亭の跡地や、その礼に家康が植えたとされる五葉松の跡が残されています。
みんな「跡」なのが残念です。

山内一豊って、NHK大河ドラマで、上川隆也さんがやった、あの山内一豊ですよね。なんだかうれしい。

さてこのお寺の境内にありました!夜泣き石

看板もありますよ

実は私の子供の頃の記憶では、夜中に毎夜飴を買いに来る女の幽霊がいた。
その後を付けたら、大きな石から赤ん坊の声が聞こえた。そして、その傍らに赤ん坊がいた、という話だったかと思っていた。

実際は、
その昔、臨月の妊婦が小夜の中山峠を越える途中、お腹が痛くなり苦しんでいたとき、介抱しようとした男が、妊婦がお金を持っていることを知り、妊婦を切り殺してお金をうばって逃げた。その時お腹の切り口から赤ん坊が生まれた。赤ん坊を助けるため、母の魂はかたわらの石にのり移って泣いた。泣き声に気づいた久延寺の住職に拾われた赤ん坊は、お乳の代わりに水飴を与えられ、大事に育てられた。そしてその子供は立派に成長し、母の仇を討ったという話です。

きっと、何かの昔話と混同していたのでしょう。
腹を切られた女は幽霊にはなっていなかったらしい😅

しかし実は、この夜泣き石は本物じゃないんです。

本物は、昔東海道に、でんとあったという。
前回記事のパンフレットの歌川広重の浮世絵。その絵の中の道のまん中にある石が、どうやら夜泣き石らしい。
しかし、明治天皇僥倖の際に、久延寺に移転され、その後浅草で開催された「勧業博覧会」へ出品するために東京に運ばれ、戻ってきた時には山の上まで運べず、現在の場所に放置されたらしい。

その後、元あった場所のすぐ近くに、似たような丸い石が見つかったので、かわりにそれに置いているとのことでした。

本物の夜泣き石があったところは、久延寺から1800mほど西に離れたところだそうです。
おそらく飴屋などない、寂しいところだったのでしょう。
当時は木が鬱蒼と茂り、追い剥ぎなどもいたそうです。

さて、住職が乳の代わりに与えた飴。これが、このあたりの飴屋で売られていた飴ですが、「久延寺の隣にある茶屋「扇屋」が、峠を通る客に出したのが始まりとされる」と書いてある記事があった。
それがこの扇屋さんだったのね!

見えますか?看板

この道は、国道一号線ができたことにより、通行目的て通る人はほとんどいなくなったかと思いますが、この看板はいつ頃の物なのでしょうか…
こういうの、いいですよね。

この飴屋の飴が、夜泣き石の伝説にちなんで「子育て飴」といわれるようになったのです。

さて、旧国一に戻り、夜泣き石のある場所、懐かしい飴屋に着きました。

右に見える階段を上っていったところに、夜泣き石はあるようです。

階段を上っていくと、少し開けた場所にありました。

すぐ横は、山が削られて、国一バイパスが通っています。

これが本物!!!
こんなに小さかったのかな?
1mちょっとくらいでしょうか…
幼いころの私には、とても大きく見えた。
それくらい小さいころにみたのでしょう。

この話を聞き同情した弘法大師(空海)が、石に仏号をきざんでいったという。

なんか、文字っぽいものが見えますね。これなのかな・・・
右側のすじは 、刀傷?

石自体、砂岩なのかな?ちょっと崩れやすいのかもしれない。
だんだん風化してきているのでしょう。

似たようなものですが、ここにあった看板も載せておきます。

この後、懐かしいお店に入り、子育て飴を買いました。

子育て飴は、もち米と大麦を原料にした琥珀色水飴です。
子育て飴は、小夜の中山トンネル脇のここ「小泉屋」と、先ほどの久延寺近くの「扇屋」で現在も昔ながらの製法でつくられています。

昔は、これをよく買ってもらっていました。

割り箸を突っ込んで、ぐるぐるまわしてとって食べていました。

その日は、100円でこちらを購入

お店の人が、瓶から掬ってくれる

綺麗な琥珀色です。
優しい甘さで、けっこう固めです。
歯でかみ切ってしまえる固さですが、なめているとどんどん柔らかくなります。

こうして、子育て飴を食べてようやく帰路につきました。

雨は私の帰宅を待ってくれたかのように、予報よりだいぶ遅れて帰宅後に振り出しました。

こうして長い長い一日が終わりました。
一日で7回分1週間の記事になってしまった。
自分でもびっくり

でも、充実した中身の濃い1日でした。

静岡にお越しの際には、ぜひこういったところも、お立ち寄りください。

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