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織姫妖怪

ある村に、弥彦という男がいた。
ある晩弥彦の元に美しい女がやってきて、
七晩だけ泊めてください
と言った。

その女の美しさに惹かれ、弥彦は泊めてやることにした。
女の名は夕子といった。

女はお礼にと、織物を織った。
その織物は大層美しく、町に持っていくと高い値で売れた。

一方弥彦は、どんどん痩せてきて、7日目の朝亡くなってしまった。

悲しむ女を不憫に思った権助が、女を自分の家に招いたが、その権助も7日目に亡くなってしまった。

女は、七日・夕子・織物上手から、織姫妖怪と呼ばれた。

妖怪と思っていても、男達は夕子が訪れるとすぐに家に招いてしまう。
困った村の女達は、七夕の短冊に
「織姫妖怪を退治して欲しい」
と書いた。

それを見て織姫はカンカンになった。
我名の妖怪など、ほおってはおけぬ!

織姫は彦星に妖怪退治をお願いした。

姿を現したのは巨大蜘蛛の妖怪だったが、
彦星の牛は、たちまちその妖怪を退治した。

空に戻った彦星は、その夜無事織姫と再会したとさ。

本文ここまで 410文字
これは、たらはかにさんの
♯毎週ショートショートnote
の企画に参加した物です。

今回は裏お題【織姫妖怪】でした。

さて、1年ぶりに再会を果たした織姫と彦星

彦さん、
私の名をつけられた妖怪を退治してくれてありがとう。

私が手塩にかけた牛にかかればイチコロだよ。

ほんとに頼りになるわ🩷

姫の頼みならなんだって聞くさ。
この功績で、一年に一度を半年に一度とかにしてもらえないかなあ〜

お父様に言ってみてもいいけれど…

いや、やめておこう。
私は、私を認めてもらえるまで、真面目に働こう。

そうね、だって私たちはラインで毎晩おしゃべりできるもの♪(昨日の記事より)

さて、織姫妖怪がいなくなった村では、年頃の男の多くを失い、女達が激しいバトルを繰り広げていた。
女達はあの手この手で、男を手に入れようとし、その様子はまるで妖女のようであった。

生き残った男達の苦難は続く…

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