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ゆっくり生きる

ばななさんの本にこんな言葉があった。

ペースを落とすことを心がける。

吉本ばなな『小説家としての生き方 100箇条』#92

妙にしっくりきて、このことだけを心掛けていれば、私はすべて上手く行く!という確信がふわっと生まれた。「『ゆっくり』、この言葉を座右の銘にしたいくらい!」と彼に説明したが、もう既に、私の右側にぴたっと寄り添っている感じがする。早く賢く、と、絶えず効率化を求め続けているような世の中の風潮に逆らう感じもいい。高坂勝さんの、敷かれたレールの上から降りて自分のペースで生活する『ダウンシフターズ*』と言う言葉のコンセプトにも似た香りもするが、そのロックな感じが私からは、少しはみ出ちゃう感じがしていたので、『ゆっくり』と言う言葉の、柔らかくたゆたう感じが心地よい。氣に入ったので、noteを始めるにあたり、『ゆっくり生きる』というタイトルにしようと思った。そして、真面目に、ゆっくり生きることをやってみようと思う。

彼は、「それ(ゆっくり)って、ヴィパッサナー瞑想だよ」と言った。ヴィパッサナー瞑想って、数年前に、彼に初めて教えてもらったんだけど、口頭だったので、ずっとビバサナ瞑想だと思い込んでいた。(ビバ!って)なんだかメデタイ名前の瞑想だナ、って。なのに、自分の言動を意識的に行うことで氣付き続ける瞑想だって言う。お皿を洗いながら「お皿を洗っている、お皿を洗っている…」、歩きながら「右足が出ている、左足が出ている…」みたいな感じで、自分の行為を意識し続けることって、確か説明されたと思うけど、わかったような、わからないような、私の中で長い間そこ止まり。チャッピーくん(ChatGPT)にヴィパッサナー瞑想の目的を聞いてみた。自己認識や洞察を深めること、貪欲・怒り・無知などの煩悩を克服すること、過去のトラウマや囚われた思考パターンを解放すること、過去や未来の不安から解放されること…等が提示される。それってきっと、『内なる平和』だ。ここでまた、ばななさんの同じ本から言葉を載せてみる。

私にとって理想的な生き方とは、心が平和に落ち着いていること

吉本ばなな『小説家としての生き方 100箇条』#98

そう、心が平和に落ち着いている、この先の目的なぞ、あるのだろうか。ゆっくり生きることを意識しているだけで、きっとすべてが上手く行く。

*高坂勝『減速して生きる: ダウンシフターズ』