今より少しだけ日本を良くするために考えること『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』◆書評′19#22
2019年22冊目の書評は、小熊英二さんの『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』です。
この本は、「日本社会のしくみ」について、その特徴や歴史を多面的かつ客観的に解説した大衆向けの学術書である。
ここでいう「しくみ」とは何か。
それは、単に法律や制度を指すだけでなく、もっと広い意味で、
雇用や教育や福祉、政党や地域社会、さらには「生き方」までを規定している「慣習の束」であると著者は定義している。
慣習とは、人間の行動を規定すると同時に、行動によって形成され