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おひとり様マンション購入&リノベ記〈5〉内見時の確認ポイント

不動産探しのサイトなどを見ると、内見はあまりたくさんやらない方がいいという考えがあるそうだ。あれこれと見始めるとキリがなく、決断のタイミングを逃してしまったり、目だけが超えて粗探しに終始したり、という事態を憂慮しているらしい。私は真っ向から否定したい。私のような初心者のど素人がインスタントに知識や知見を得るのに、内見ほど有利な手段はないと思う。実際の物件を目で見て、不動産屋から生の情報を得ることはとても有意義だった。

私はアプリなどを活用して片っ端から物件を調べ、気になったものは即座に内見の申し込みをいれた。勤め人の内見は土日が中心にならざるをえず、多い時は集中して1日5件以上見た。数をこなせばこなすほど、見るべきポイントがなんとなくわかってきて、効率的にこなせるようになってきた。

部屋については、間取りだけでなく天井の、窓やベランダ付近にカビがないか、壁や建具、床にがないか。ベランダに出て日当たりや周辺のマンションとの立地、特に向かいにマンションがある場合は窓の位置などを確認した。キッチンや風呂、水回りなどの汚れや水圧も確認する。また、室内の傷みが激しい場合はリフォームも考慮しないといけないので、全体予算を考える必要がある。クリーニングでなんとかできそうか、リフォームが必要なレベルなのかは不動産屋の営業マンに確認した。

よくマンションの価値は立地や築年数よりも管理体制で決まると言われているが、これは本当だと実感した。築年数が新しいのに妙に薄汚れて、くたびれた建物がある一方で、古いのに汚いというよりもレトロな魅力のある物件もあった。管理体制は、玄関やポスト、ゴミ捨て場などの共有スペースが整理されているかに顕著に現れる。掲示板の工事の案内なども見逃せない。

それから長い間運命共同体になるご近所さん、住民も大切なチェックポイントだ。廊下に私物が散乱していないか。エレベーター付近の注意書きの張り紙なども細かく見た。すれ違う住民の様子や雰囲気を確認する。挨拶をしてくれるか。服装や持ち物などもさりげなくチェックする。

もし居住中の部屋なら、オーナーさんに色々と尋ねることが可能だ。なぜ部屋を売却するのか、両隣の住民はどんな方か、住んでいて困ったことは何かないか。上下の物音は。どんな家でもパーフェクトはありえない。困ったことを正直に話してくれるオーナーさんは信用ができると感じる。開放的な家だと言いながらカーテンがピッタリと閉められたままで、さりげなく開けたら向かいの住人の家が丸見え、などのケースがあった。「本当は売りたくないんです」と奥さんが目の前で何度もこぼされた物件は、おそらくとても良いのだろうと感じた。

ちなみに居住中の物件の方が売り切れるスピードがやや鈍い感じがして、じっくりと検討したいタイプの私にとってはありがたかった。

当たり前の話ではあるが、居住中の物件にお伺いするときは身だしなみには注意したい。最終的には売主が生殺与奪の権利を握っていることを忘れてはいけない。華美に着飾る必要はないと思うが、好印象を与えられるようなきちんとした格好で、持ち物やアクセサリーなどにも心を配った。猛暑の日に私はうっかりサンダルで行ってしまい、不動産屋の営業マンがスリッパを持ってきてくれていて事なきを得たが、今後は気をつけようと固く誓った。

内見で気に入った建物は、関連資料を取り寄せてじっくりリサーチした。間取りなどの基本的な資料に追加して、具体的には以下の資料だ。

・重要事項調査報告書
・長期修繕計画
・修繕履歴
・分譲時のパンフレット、資料など

それぞれの資料については、別の章で詳しく述べたい。





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