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おひとり様マンション購入&リノベ記〈2〉持ち家か賃貸か

持ち家か、賃貸か。

キノコかたけのこか、ビアンカかフローラか一一それに匹敵する永遠に続く論争のテーマの一つに違いない。お金に絡んだ思惑が入り乱れ、議論をより複雑にしている。

私は大学生から通算20年にわたり賃貸暮らし。転勤のある会社に長年勤務しており、また差し迫った家庭の事情などもなく、これまで家を購入しようと思ったことはなかった。それが、なぜかふと家を買いたいと思ってしまった。

これまで「ずっとその家賃を払い続けているの、もったいないよ」と何千、何万回も言われ続けてきても、「いやいや(買いませんよ)」とはぐらかしてきたのに、だ。

ちなみにこの手の「〇〇はもったいない」という言葉は、なぜか不動産を買おうとすると周囲から何万回も浴びせられる。「やかましいわい、言われんでもわかっとるわい!」と心の中で毒づいてもほぼほぼ100%親切心からくる言葉には反論しづらいので、私は呪いのフレーズと呼んで冷ややかに接している

閑話休題。

呪いのフレーズと揶揄する一方で、そう言われてみると自分で住まいを決められる今、お金を払い続けることは確かにもったいないかもしれない、と思い始めた。年齢を考えるとなにか物理的な資産、所有物を持つのも悪くない。いやむしろ、出遅れているくらいだ。

ちょっと調べると住宅ローンでフル(35年)の恩恵を受けりるなら、45歳までにという年齢的な制限があることがわかった。そろそろ動き出さないといけないタイミングが近づいていた。

もっと自由に、自分らしく住みたいという根源的な欲求もあった。いつの頃からか私の支出の衣食住の優先順位が、衣<食<住になっていた。大阪時代は家賃相場が低いこともあってタワーマンションの分譲賃貸をしていたこともあった。賃貸と分譲だといろいろと建物や室内のグレードが違うことに驚かされた。やはり、分譲マンションはきちんと作られているし、住民の皆さんもフレンドリーだ。

賃貸は他人のものだから、住んでいる時には傷つけないようなんだかんだ気を使う。仮住まいという気楽さにも繋がるのだけれど、そろそろ好き勝手に間取りを替えたり、壁にピンや穴を開けたり自由に遊べる余裕も欲しいなと思うようになった。正直、賃貸には飽きた。自分で購入したマンションで自分らしく暮らしている、おひとり様友人たちのライフスタイルにも憧れた。

賃貸派と持ち家派の有識者の意見も調べてみたが、だいたいは自分のビジネスに有利な理論を主張していると感じ、あまりあてにできないなと思った。それに元来、金勘定は苦手だし、将来をどんなに緻密に計画してもうまくいくわけがないと、これまでの経験から確信していた。

結論として、私は賃貸か持ち家かをそんなに考え抜かないまま、どちらかというと、持ち家で自由に暮らしたい、タイミング的に今なら間に合いそうといった漠然とした思いで、自分の中の議論に終止符をうった。

この間やむにやまれぬ事情で再度転職をしたため、足踏みの期間があったものの、更新年の春の終わり頃からは、家を買いたい気持ちが高まり少しずつ動き始めた。

これも後々に嫌というほど思い知るのだが、不動産購入は数え切れないほどのdicition makingを迫られる。

最初の選択は、どこに住むか、だ。

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