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結婚式に行ったら、親友のことをもっと好きになった

先日、親友の結婚式に招待され、いってきた。


このコロナ禍の中、いろいろ思うことはあるだろうが、わたしは彼女の晴れ姿を見逃したくなく、出席を決めた。


本当はもっとたくさん悩んだ。「彼女に会いたい」と「ほかの友人に会いたくない」を何度も天秤にかけて、それでも彼女に会いたい気持ちがどう考えても強かった。

結婚式なんて、幼稚園児の頃に親戚の名前も知らないお兄さんのに出席したことがあるだけで、記憶もないし、初めてと言っても過言ではない。

服を選ぶのもアクセサリーを選ぶのも靴を選ぶのも、本当に大変だった。


当日、最寄りの地下鉄の駅に着いた時も、式場に着いた時も、なんども問いかけた。

「本当に出席してよかったのかな…」

半年以上連絡を取っていない友人達。わたしだけ蚊帳の外にいる気分だった。


でも彼女のドレス姿を見たら全部吹っ飛んだ。

本当に綺麗だった。

いま思い出しても涙が出るほどに。

ベールを被せた瞬間のお母さんが少し涙ぐんだ姿も。普段はあまりいい話を聞かなかったお父さんも。何度か話を聞いたことかある弟くんも。全てが完璧で偽りのない素敵な式だった。



彼女と出会ったのは大学の入学式。同じ大学の同じ学部に入学し、入学式が終わったあとの講義室で偶然隣に座った。

話しかけてくれたのは彼女だった。なにを話したか覚えてはいないけれど、次の日から始まる大学生活に向けて、明日一緒にお昼ご飯を食べようと約束をし、LINEを交換した。

超人見知りの私にとって、女神のような存在だった。高校の同級生達と怯えていた"便所飯"を回避できた。


彼女は成績が優秀で要領もよかった。わたしより背が高く、ディズニーが好きなこと。わたしと同じで長女で弟がいて、テニスをやっていたこと。彼女とはとてもよく気が合った。


でも、仲良しなことばかりではなかった。

一時期、なんの気の迷いか、わたしは彼女を避けていたことがあった。自分の気持ちと周りの環境のギャップについていけなくて、何事も完璧な彼女に嫉妬してしまっていたのだと、いまならわかる。

のちに、その頃、わたしが避けていることを悟った彼女は他の友人にその事について相談していたことを知った。本当に申し訳なかったと思った。彼女が心の広い人じゃなかったら、今頃わたしは…。


大学6年間ほぼ一緒にいたのに、彼女が卒業してからの1年ちょっと、今まで、とても寂しかった。

何かあれば学校で話をし、連絡をしていたが、すぐに会ったりできなくなってしまった。

でも、彼女は大学を卒業してから、仕事で今まで住んでたとこから車で2時間ほどのところに引っ越した。近くに来る時は連絡してくれて、一緒にお酒を飲みに行ったりした。誕生日には連絡をしたし、わたしが恋人と揉めたとき、急に泣きながら電話をしても話を聞いてくれた。

SNSで何か写真をあげればコメントしたり、離れていても、彼女の生存は確認できていた。


彼女が旦那さん出会った時もわたし達は一緒にいた。彼女のタイプであることは一目瞭然だったし、すぐに分かった。旦那さんも又、同じく。付き合いたてのころ、彼女から恋愛の話を聞くのが好きだった。それより以前はわたしが話すことがあっても、彼女が話すことはあまりなかったからすごく新鮮で、楽しかった。


結婚式のあとの披露宴で、そんなことを思い出したりしていたら、名前を呼ばれた。一通り、お祝いの映像が流れて、終わったタイミングで、お肉を口に入れた瞬間に。

「大学からのご友人である、百瀬翠さん、エスコートをお願いします」

新婦のドレスチェンジの退出時エスコートだった。

結婚式に初めて参加するわたしでも、ドレスがどこかのタイミングで変わることは知っていた。受付で、ドレスの色当てクイズで、黄色のドレスに投票もした。

そのエスコートがわたし!!!

状況も肉も飲み込めないまま彼女の隣に行った。ライトで照らされ慌ててお肉を飲み込んだ(人生であんなにお肉を噛まないで飲んだのは初めてだしきっと今後もない)。

真っ白で綺麗な彼女と腕を組み、会場を歩いた。じわじわと感動がこみ上げて顔が真っ赤になってしまった。彼女は何人もいる大学の同級生、高校の同級生、友人の中から、わたしを選んでくれた。

ほんとうに心の底から嬉しかったし、人ってほんとうに嬉しいとき、変な顔で笑ってしまうのね。

そのあと送ってくれた、友人が撮った写真のわたしはパンパンの顔でぎこちなく笑っていた。笑顔がうまくなりたい。


そのあと、彼女のお母さんとお話しをした。彼女のお母さんには、まだ大学1年生の頃に一度だけ会ったことがあった。いつもありがとうと言われたが、本当にこちらの方がありがとうだった。

この年になって、親が把握してる友人ってそんなに多くないことを自分自身実感していて、その中の1人になれていることも、本当に嬉しかった。


その後も最後まで素敵な式だった。素敵な時間を過ごせたと、心から思った。


同じテーブルにいた同級生たちも、普通に接してくれた。疎遠になりかけていた友人達とも、それなりに会話ができたし、2次会、3次会まで行った。ちゃんとできていたか不安はあるけれど、きっと、大丈夫。

きっと、結婚式がなかったら、ずっと連絡も取らず、この先関わることを避けて疎遠になってしまっていたに違いない。今後、上手く関われるかは自分の努力次第だとは思うけど。

彼女にとって大きなイベントで大きな一歩だったと思うが、わたしにとっても大きな一歩を踏み出した日だった。


彼女はわたしにとって、幸運を運ぶラッキーガールだなあ、と改めて思った。入学式の日、彼女が話しかけてくれなかったら。わたしが泣いて電話した時、すぐに出てくれていなかったら。結婚式に呼んでくれていなかったら。わたしの人生に彼女がいなかったら。こんな嬉しい気持ちや、幸せな気持ちになれなかったし、価値のある人生にはならなかったと思う。

そして、彼女にとってわたしもそんな存在でありたいな、なんて思う。

いつも本当にありがとう。

いつでも、どこからでも、あなたの幸せを願っています。



これを彼女へのラブレターとして。

本当に、結婚式おめでとう。

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(※本人に掲載の許可をいただきました。ありがとう。)

(特定防止のため、かなり時期をずらして書いてます)



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