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続・二人セゾンの思い出

すきな女とすきな男が結婚式に呼んでくれて、ウキウキで東京へ行ってきた。たのしかったなあ。初めて結婚式に呼んでいただいて、お洋服とか靴とかカバンとかご祝儀袋とか選ぶのもめっちゃたのしかった。なんとなく自分は「女っぽいもの」のことが苦手で、かわいくないのに女っぽいものに手を伸ばす姿を不特定多数のだれかに嘲笑されている気がして遠ざけていたけれど、必要にかられて淡い色のレースのワンピースを選んだり、薄いベージュのパンプスを買ったり、薄い赤のリッププランパーを買ったりして、美容室で髪もかわいくしてもらったらちゃんときもちが上がるわたしがいてなんだかうれしかった。実在しない敵を作り上げて選択肢を捨てるのはもったいないし、ちゃんと自分のすきなものを自分で選べるようになっていきたいと思った。

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ところで、二人セゾンの男について書かせていただきたい。

わたしは今回①すきな女と男の結婚式に参加させていただく②絶対に男と再会する、という強い目的二本立てで東京へ行った。わたしは絶対に自分の人生を映画にしてあげたいから。愛がなんだ。そして、紆余曲折あって、また男ではないほうの彼と会うことができて、わたしが男にもう一度会いたいと思って中野で数年飲み歩いたこと、いろいろあって今は札幌に住んでいること、でもいろいろあって東京にはしょっちゅうきていること、そして不意に二人セゾンをきいて、あの朝のことを思い出してしまったこと、男のことを思い出してしまったこと、会いたいと思っていることなどを、酔っぱらった勢いでペラペラと喋った。そうしたら、彼が男の勤務先(ごはん屋さん)を教えてくれた。「お店に行ったら会えるよ」と言われた。「絶対に行く!」と言った。「絶対に行くからわたしが会いたいと思ってることラインしてください!」と彼に言った。

結局行かなかった。行けなかった。その日も朝まで飲んで、ぐちゃぐちゃになって帰ってきて、おなかの調子が悪くなって、全然そんなめちゃめちゃ会いたいひとに会いに行けるコンディションじゃなかった。だいたい一番知りたいのは働いている場所じゃなくて連絡先だった。いやでも働いている場所知れたのはでかい。でかいでかい。でも、もしかしてもしかしたら、男のほうからわたしの連絡先をどうにかして手に入れて「なんで来ないの」とか言ってきてくれやしないかしらと思った。当たり前だけどそんなことは起きなかった。

そうしてあっという間に札幌に帰る日になって、二日酔いと下痢で飛行機に間に合わないかと思った、これで間に合わなかったらこのまま男のごはん屋さんに行っちゃおうかなって思いついたけど、結局ギリギリ飛行機に間に合って帰ってこれちゃったし、わたしは札幌の家でこれを書いている。

大丈夫、わたしはつよい。札幌の家から東京まで4時間とか5時間とかあれば行けることを知っているし、人生が映画ならまだまだ展開としては中盤で、エンディングには絶対に男と再会できる。男の働いている場所をわたしは知っている。あとはわたしが会いに行けばいいだけ。そう思ってゴールデンウィークの飛行機のチケットを買った。

みんなにはわたしがちゃんとアメリになるところを見ててほしい。男へ。もしこれを見ていたら絶対に転職しないでね。つづく。

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