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振られた日のこと。

私は振られたことがありませんでした。

こんなことを言うとやな女と思われるかも知れませんが、事実なので仕方ないです。

振られたことがなかったのです。

ところが、昨日、「この人と一緒にいたらきっと最強だろうな」と思っていた人に振られました。

一晩寝かせた今もモヤモヤしていますが、振られた理由はたしか
「僕のような人間を好きになってもあなたにとってよくない」
「僕じゃなくて、他の人と会って関係を築いた方がいい」
でした。

えっ?
意味わからない?
うん。私も分からない。

なんとなく今日振られるんだろうなぁと思っていたけれど、こんな理由とは思っていなかった。

はっきりバッサリ袈裟斬りをされるような覚悟で会ったのに。

その言葉を聞いて、体が自分の輪郭からこぼれ出てしまいそうだった。

かろうじて人の形を保っているようなそんないっぱいいっぱいの状態でなんとか声にできた言葉が

「あの。その理由だと、あなたの私に対する気持ちが、全く分からないです。」

だった。

いっぱいいっぱいだったのに、こんなに論理的に言葉を発している自分に驚いた。

絞り出した自分の声がすごく無機質で冷たかったことにも驚いた。

そうしたら相手は、
「あなたはまっすぐで、強くて、面白くて、いい人で素敵な女性だと思います。」
と言った。

私じゃない誰かか、あなたではない誰かの目を通して見た私のことを言ってるみたいに聞こえた。

「僕は『好き』っていう気持ちが分からないのかも知れない」

と続けられた。

おん?

「はぁ・・・」

しか声にならなかった。

そうなんだ。
よく分からないけどよく分かった。
つまり、私のことは好きではないと言うことだ。

そこで一つの疑問が生じた。

なんでこの人は
「今度カレー食べに行きましょう」
とか
「山一緒に登りましょう」
とか
「今度」っていう言葉を使っていたんだろうな。

「一つだけ傷ついたこと言ってもいいですか?」

彼は真剣な声で
「はい」
と答えた。

「この先がないのに、どこへ行こうとか、何をしようとか、未来の話をするのは、あまりにも残酷です」

小さな声で「ごめんなさい」と聞こえた。

私は当初から婚活ガチ勢であることを伝えていた。

「僕もガチ勢です」

と言っていた彼の姿はそこになかった。

あったのかもしれないけど、相手は私ではなかったんだな。

最後まで、彼の私に対する気持ちは聞けなかった。
言っていたかも知れないけど、それは私のことじゃなくて、どこかの知らない人の印象を並べただけに聞こえた。

もっと色んな話をしたけれど、書くのはここでやめます。

振られるって、もっとスッキリするもんだと思っていたけど、答えのない「なぜ?」がどこまでも続いて苦しい。

「クリスマスまでに彼氏を作ってタコパしてやる」
なんて、けっこう平気ぶっていたけど、藤井風の「帰ろう」を聞いていたら涙が溢れてきて、Twitterのフォロワーさんから竹内まりやの「元気をだして」を聴かされたら怒涛のように泣けてきた。

ああ、振られるってつらいんだなあ。

でも、きっと強くなったなあ。私。

強く優しいしなやかで美しい女になりたいなあ。(注文多い)


追伸。
しぬこさんにLINEしたらとてもいいアドバイスをいただいたので、昨夜はマグカップ(大)で酒を飲みました。

#20201109 #失恋 #まきぽん #婚活