見出し画像

渡辺康平議員の『県民健康調査の甲状線検査における過剰診断について県の認識を尋ねる』のご質疑(令和6年6月定例会 6月26日一般質問)

渡辺康平議員の2024年6月定例会でのご質疑の中から県民健康調査の甲状腺検査に関するところだけ文字起こしをしてみました。
福島県の甲状腺検査についての非常に大事なご質疑で福島県議会公式チャンネルの動画の中でも飛び抜けて多い再生回数なのに、これを記載した記事はハフポストの相本啓太記者のものだけでした。
(甲状腺がんの「過剰診断」問題、福島県議会で議員が指摘。専門家が「2年後のお楽しみ」と発言したことも明らかに Keita Aimoto 2024.6.26 https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_667b6dcce4b0a7cf624487dc)

渡辺康平議員のご質疑、詳細については福島県議会公式チャンネルにでていますので、そちらをご覧ください。

令和6年6月定例会 6月26日一般質問(渡辺康平議員) https://www.youtube.com/watch?v=t3krBqJL2pg

質疑全体の内容は渡辺康平議員のX(旧Twitter)に出ています。
https://x.com/kohei_w1985/status/1806221146217701414

質疑項目は⇩です。
1 産業政策について
2 人口減少対策について
3 再生可能エネルギーについて
4 医師確保について
5 県民健康調査について 
6 台湾との交流について
7 放射線教育について
8 県道白河羽鳥線について
9 匿名・流動型犯罪グループについて

https://x.com/kohei_w1985/status/1806221146217701414

甲状腺検査は、この5番目の質問です。
内堀雅雄知事が答弁されたもの(産業振興)もありましたが、甲状腺検査へのご質問の時には内堀雅雄知事は出てこられませんでした。

『その他のご質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます(22分50秒)』

https://www.youtube.com/@user-vi4fq1yh4l

福島県議会公式チャンネル https://www.youtube.com/@user-vi4fq1yh4l

9分目
5 県民健康調査について

県民健康調査についてであります
令和4年9月の議会にて 甲状腺検査の実施方法について見直すよう質問したところ、県は検査対象者へのアンケート調査の結果などをふまえ、検査のあり方について議論するとの答弁でありました。
その後のアンケート調査の結果、様々な結果がわかってきました。
まず第1に、検査を受けたいと回答した保護者や対象者が最も多く回答した理由は検査を受ければ安心、早期診断につながるという理由でありました。
この検診は本来、原発事故により放出された放射線の影響で小児甲状腺がんが増加するのではないかと懸念が高まったことを受け始まったものであります。
放射線の影響を把握するために始まった検査が現状では、保護者、検査対象者ともに、一般の健康診断におけるがん検診と同じ認識でおることは、このことは本来の目的から大きくずれております。
さらに、検査にメリットデメリットがあることを知っている対象者は約3分の1
保護者は半数程度であり、デメリットがある検査ということが浸透していないことや、検査を受けさせる理由として、「学校で検査を実施しているから」と答えた保護者が約半数いたことが、学校健診の義務性が伴っているのではないかと指摘されております。
しかし、評価部会では、検査の継続を前提に議論を進めており、検査の見直しは議論されておりません。
甲状腺検査評価部会の鈴木元部会長は、第22回の評価部会にて、「どういう結果が出るかは2年後のお楽しみです」という発言がありました。この発言は、極めて不適切なのではないでしょうか。
「県民健康調査における、甲状腺検査は過剰診断である」と県内外から厳しくして指摘される中で、検査継続ありきの検討委員会の結論を待つのではなく、県としての判断が問われております。
甲状腺検査における過剰診断について、県の認識
を尋ねます。
 
次に甲状腺がんと放射線被ばくの関連性についてです。
甲状腺検査により、見つかった甲状腺がんと放射線被ばくとの関連性については、令和元年の「県民健康調査」検討委員会で
「現時点おいて、検査2回目に発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連を認められない」とする見解が示されました。
すでに、 原子放射線の影響に関する国連科学委員会 (UNSCEAR)、国際がん研究機関(IARC)も早い段階で放射線の影響によるがんであることを否定しています。
しかし、検討委員会の中間取りまとめにおいて、将来の甲状腺がんが否定できないため、今後も検査を継続するとして、いまだに検査が続いております。
検討委員会が、甲状腺がんと放射線被ばくの関連性について、結論を出さない 検査継続ありきの姿勢に対して、医師や研究者から強い批判が出ています。
そこで、甲状腺検査で発見された甲状腺がんと放射線被ばくとの関連性について県の考えを尋ねます

https://www.youtube.com/watch?v=t3krBqJL2pg

27分目
三浦爾 福島県保健福祉部長 
 
5 県民健康調査について

次に甲状腺検査における過剰診断につきましては、甲状腺検査評価部会における検査結果のまとめにおいて、
検査には早期発見等による利益の一方、将来的に症状やがんによる死亡を引き起こさないがんを診断し、治療してしまう可能性などの不利益も考えられることから、対象者の理解と同意を得て実施することが重要とされたところであります。
県といたしましては、対象者が検査の利益や不利益を理解した上で、受診することが重要であると認識しており、引き続き、丁寧に説明を行い、理解の促進に努めてまいります。
 
次に
甲状腺検査で発見された甲状腺がんと被ばくとの関連性につきましては、令和5年11月の「県民健康調査」検討委員会へ報告された部会のまとめにおいて、検査4回目までに発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められないが、放射線に感受性の高い 原発事故当時乳幼児だった世代への継続した見守りの必要性が示されました
県といたしましては、今回の検討委員会への報告や、今後の議論を踏まえ、県民の健康を見守る観点に立って対応してまいります。

https://www.youtube.com/watch?v=t3krBqJL2pg

簡単にまとめるとこう言うことだと思います

1)アンケート結果より、検査のデメリットを知らず、一般のがん検診のように受診しているのではないか?
2)鈴木元部会長の「2年後のお楽しみです」発言は不適切では?
3)甲状腺検査については国内外から過剰診断が指摘されているが、県としての認識は?
4)放射線と被ばくの関連はないと国際的にも評価されているが、甲状腺がんと放射線被ばくとの関連性について県の認識は?

これに対し、知事ではなく、保健福祉部長が答弁
1)2)特に言及なし
3)(福島医大のメリットデメリット冊子の説明を引用し)、対象者が検査の利益や不利益を理解した上で、受診することが重要で。引き続き、丁寧に説明を行い、理解の促進に努めてまいります。
4)放射線に感受性の高い世代への継続した見守りの必要性が指摘されたので、それに従って検査を行う


今回も県の答弁には『過剰診断』と言う言葉は使われませんでした。


検査実施に関する責任は評価部会や検討委員会に丸投げし、また、具体的な甲状腺検査の不利益を説明することなく、不利益がありますから受診は任意ですと、対象者にもその責任を転嫁する態度ではないかと感じました。
地元の新聞やテレビの地方局などが、このようなことをきちんと取り上げ伝えてくれなければ、検査についてのいろいろな問題が住民に伝わらず、検査を受けた人だけが、最新の情報を知らず、不利益を受け続けることになるのではと懸念しています。