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スニーカーに導かれて

スニーカーが好きだ。
ぼくにとっては当たり前のことである。

でもなんで好きなんだろう。ふとそんなことを考えた。
当たり前すぎて今までとくに考えたことはなかったが、
改めて考えてみることにした。

スニーカーに限らず傾倒するなにかがあるみなさん、
なにがきっかけでしたか?

自分自身を振り返るとなんだろう。

行き着く所はなんだかんだでそう、
モテだった可能性がある。

誰もが通る道。思春期。
遡ること中学時代。ぼくはサッカー部だった。

自分でいうのもなんだが、ぼくはちょっとうまかった。
部員数が約40人いる公立中学のサッカー部で、
1年生ながら3年生に混じって試合に出場していた当時のぼくは、
同級生よりも先輩と仲良しだった。

中学1年生のときの3年生。
サッカー部の先輩はイケていた。
サッカー部の先輩たちはスクールカーストでいえば上の方の人達で、男女問わず人気者だった。

部活時や週末先輩と過ごす時間の中で日々観察を重ねていくと、
先輩たちがなんでイケてるのかに気付いた。

身につけてるものが違う。
制服のサイズ感も違う。
着こなし方も違う。
髪もベトベトでなんか光っているがぴしっとしている。
携帯の待ち受けなんてカナヘイだ。

基本的に学ランで過ごす学生生活の中で、
センスを感じるものといえば部活用具を入れるエナメルバックか靴くらいだったから、
自然にスニーカーがスクールカースト上位者の中でキーアイテムになっていた気がする。

汚れたトレーニングシューズや運動靴を履いて通学している同級生と先輩を見比べて思った。

スニーカーがほしい。

いつだったか、なにかのタイミングでアルペンスポーツデポに行った時、目に止まった靴を買ってと母に頼んだ。
当時中学生のぼくにはどう頑張っても買えなかった約7,000円のスニーカー。
母はそれを買ってくれた。
なぜ買ってくれたのかわからない。誕生日でもなかった。

ぼくの記念すべきマイファーストスニーカーは今でも忘れない、ローカットのダンク。
ウィメンズサイズの23cmだった。
中学校へ入学した当時ぼくは145cm。小さかったのだ。

満を辞してそのダンクを学校に履いていった初日、ぼくは得意げだった。
クラスメートにも先輩にも、みんなにダンクのことを聞かれた。
サッカー部なのにダンク?っていうありがちなツッコミをかわしながら、
ぼくは学校と自宅までの通学路を闊歩した。

それ以来メタルギアソリッドやウイイレなんかのゲームを買う頻度を減らし、
靴を買うようになった。

そんな中坊が着飾ったところで何得だよと思うかもしれないが、
いいことはある。
多少モテるしイケてる、なんかいい感じのイメージがつくのだ。

多分これは自意識過剰なんかじゃない。

少し不純な入り口だったかもしれないが、今は純粋にスニーカーは大好きだ。
モテとかそんな理由じゃない。
スニーカーを買うために早起きするし、買っても履かずに家に飾るのだ。

でもその少し不純なモチベーションには感謝している。
おかげでぼくは今ここで、好きなものについて好きなように書き、
好きなものを扱い好きな仕事をして好きなヒトモノコトに囲まれて生活できている。

モテきっかけで触れるようになったスニーカーに導かれて、
ぼくは今のぼくのところまで連れてきてもらえたのだ。

これからもスニーカーに導かれて生きていきたい。

久しぶりにダンクを履いた日そんなことを考えた。

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