エッセイ①ビジネスマン然とできない

「仕事=プライベートの時間を阻害する悪の時間」
こんな意識がずーっとある。
これは多分大学時代にTwitterやネットで「社畜」なんて言葉が流行りだし、世の社会人の愚痴をネット上で沢山浴びた結果、
「会社で働くことは悪なんだ」「会社の飲み会はつまらないもので、就業時間外に会社の人と関わるなんてありえないことなんだ」とかそんな意識が強く頭にこびりついたからだと思う。

自分の将来の願いは幸せな家庭を築いて奥さんと子供とずっと遊ぶこと。仕事はそれを実現させるためのツールであって、仕事の充実には興味がなく、もしも何がしかでお金が入り続けるのなら仕事なんてしない。
で、可能な限り、自分がそうして育ててもらったように、都心近くに住み私立の学校に行かせてあげられるような環境を子供に用意したい。

なんとなく高校生くらいからこの価値観でずっと生きてきて、ずっとこれに縛られている。

他には自営業の父の仕事。後を継げとは一切言われていないが、いつかこの会社を辞めるかもしれないという意識もまた更に仕事にのめり込めない要因の一つになっている。

こんなことなどを理由に(それも言い訳なのだが)ビジネスマンに必要不可欠な「会社における人付き合い」をめちゃくちゃサボっている。

昼ご飯は他のみんなは一緒に会社の中で食べたりしている中、基本1人でお笑いラジオを聴きながらふらっと外に出歩いて食べ、夜もさっさと1人で帰っている。
会社の同期達は土日も友達のような付き合い方をしており、ドライブやキャンプにもよく行っていたが、私は日頃のそんな行いから誘われることもなかった。珍しく誘われたら必ず行くようにしていたが、自分から誘うことはほとんどなかった。
上司に対しても後輩然とした行動や振る舞いができず意味なくスカしてしまい可愛げがない。
飲み会は誘われたら絶対行くし嫌いじゃないけど理由がない限り自分から誘うことはほとんどない。

人付き合いだけではなく、ビジネスマン然としていることが全くできない。
寝ることで翌日を迎えるのが嫌すぎて毎日夜更かししては朝ギリギリに出勤するし、Excelやパワポも苦手だし資格もないし、日経新聞も全然読んでない。日経新聞はおろか、そもそもお笑いのTwitterとYouTubeしか見てないから普通のニュースすらほぼ知らない。

たぶんこういう行いを管理職も日頃から見ていて、例えば内定者の学生が職場見学に来た際のちょっとしたプレゼンとか、OB訪問などの人事部から各箇所の若手に振られるちょっとした役目は全て同期や後輩がやってきた。
もちろん業務は一生懸命こなしてるけど、+αの信頼を得るための努力はしてないし、当然向こうからの+α分の信頼もないわけだ。

1週間のうちの5日、1日のうちの3分の1の時間を仕事に使っているのだから、プライベートよりも仕事を優先した方が毎日が充実するとか、自分の成長にもなるとか、そんなことはわかっている。
でも無理なんだよな。ずっとお笑い見てたいし、結婚できて子供ができたらずーっと子供とダラダラ遊んでたい。

世の社会人達って実際はどんな心持ちで過ごしてるんだろう。
いわゆる意識高い系の人達はなんで意識高く仕事できてるんだろう。
俺側の人ってどれぐらいいるんだろう、どうやって折り合いつけてるんだろう。

ここまで書いてて自分でも変だが、別に今の仕事が嫌いなわけではない。何年も働いてきたので見える景色も段々と変わり、会社でやりたいこともまだまだ沢山ある。目の前の仕事が終わらなかったら残業だって全然する。
収入がなくなって家庭を築けないことの方が嫌なので、仕事自体を辞めるつもりはさらさらない。
でも意識高くビジネスマン然とした+αのことができないしやりたくないのだ。

人付き合いに関してはビジネスマン云々の前に人としてやるべきことだけれども、嫌でもそれを黙ってできる大人にまだなりきれていない。
じゃないとオードリーで言うところの、オンで人と接することができない。
自分のことを社会不適合者とは思ってない。大人になれない、ただそれだけだ。

周りから見たら都会生まれのボンボンがぬるいこと言ってんなって感じなんだろうな。そういうハングリー精神が足りないのかな。うるせえなって思う。

あー早く東京に帰って定時で上がれる部署に行って19時開始とかなら安心して置きチケ頼める生活を送りたい。お笑いライブのためだけに休みもガンガン取りたいし遠征もしたい。友達とも遊びたい。
でも上司からはお前は地方に行ってがむしゃらに営業しろとか言われる。
東京以外友達も誰もいないんだから海外も大阪も福岡も群馬も長野もどこだろうがみんな同じだよ、絶対嫌だわ。

読み苦しい文章でごめんなさいね。でもこんな内容、家族にも友達にも会社の人にも言えないんだよ。
だって俺は「ビジネスマン然」としてなきゃいけないんだから。

お読みいただきありがとうございました。

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