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シン・りょうを観て大学時代の部活の同期を「ちょっと思い出しただけ」の話

2022年におけるニューヨークのYouTubeチャンネルでの一大ムーブメントこと「シン・りょう」皆様ご覧になられただろうか。

東京吉本NSC24期の同期内における嫌われ者の「小虎のりょう」を中心に、りょうの味方の者、りょうを嫌う者、はたまたりょうの粗を探ろうと仲の良いフリをしてりょうに近づくスパイまでもが登場していく、この人間関係のいざこざを15期のニューヨークが一つ一つ整理し、同期仲の解決を目指したライブは、出演者がほぼ全員売れていないにも関わらず配信で1万枚を突破した。

誰一人名前も知らない集団の群像劇に1万人以上が魅了された背景には、組織の中の嫌われ者とその周辺という誰しもが経験してきている圧倒的なリアリティーや共感性があったのではないかと思う。
かくいう私もその一人。シン・りょうを観て大学時代の部活の同期を思い出した。

大学時代、私は少しマイナーなスポーツの部活動に所属していた。大学にもなってサークルではなくわざわざ体育会系の部活、しかもメジャースポーツではないというところもあり、私含め少し個性が強い(悪く言えば変わった)男子8人が同期となった。

入部して四ヵ月ほど、早くも男子の中で嫌われ始めた男がいた。
彼は中学高校と野球をしており運動神経も良かったが、入部当初の同期内男子の中での実力は真ん中ほどであった。

部活動は練習効率の都合週7-8回のうち2回出るシフト制となっており、私は彼とは違う練習日であったため、その実を知らなかったが、彼は自分と同じ練習日で自分より実力が下の同期に対し、少しマウントを取って指導をしていたらしい。
先輩でもないし、同期での実力がトップでもないのにマウントを取って指導するなと、一部同期の中でフラストレーションが溜まっていたようだ。
そんな中、夏合宿が行われた。
一日の練習後の食事の席でその問題を知った先輩は、間に入って我々1年生を一同に集めて事情聴取を行った。

そう、構図としてまさにシン・りょうなのである。

私はその場で初めてその問題を知った。もともと少し鼻につく奴だとは思っていたが、不満を持った面々からの赤裸々な告白に息を呑んだ。
シン・りょうと異なりお笑い芸人でもないため、プロレス要素0、完全ガチンコ。
全員18-19歳の若者にとっては非常に難しいシチュエーションで、当然司会役となった先輩もニューヨークや令和ロマンのくるまのようにポップに問題を処理することもできず、重苦しい雰囲気のまま事情聴取は続く。

結果的にはお互い思ってることを吐き出そうという流れに身を任せ、私含め彼から直接何の被害も受けていない同期までもが彼に酷い言葉を浴びせることになってしまった。
本当に申し訳ないことをした。

その日以降彼は同期への指導はしなくなり、個人での努力に励み、実力を伸ばし同期内での実力序列も上げた。
1年後、2年生の時に彼は翌年の主将候補に立候補した。その際にも適性がないと、またもや同期内から良くない言葉を浴びさせられながらも、それでも半ば消去法に近い形で主将となった。
主将就任後も不器用な彼は、主将として不適切な言動・行動から、チームでの確かな信頼を最後まで得ることはできなかった。
私自身は二年生で彼に実力を抜かれたこともあり、競技面で彼を尊敬していたが、主将としての彼の味方もあまりできず、結果的には団体戦でチームで思う結果は出なかった。
そして部活は引退となった。。

ここまで読んでいただいた方には少々胸糞が悪いかもしれず申し訳ない。
でもシン・りょうと違って芸人同士のプロレスはそこにはなくて、これがリアルだ。

この話をして、「芸人はポップにプロレスできるからいいよね」って言うつもりもないし、「なんでそんなことしたんだ」と皆様にどうこう言ってもらうつもりもない。

そう、シン・りょうを観てほろ苦い記憶を「ちょっと思い出しただけ」なのだ。
(これピンと来てない人は松居監督の映画「ちょっと思い出しただけ」を必ず見てくださいね)

まぁ、彼にとっては恐らくトラウマで、こんな勝手に軽く思い出して明るみにまで出しておいて、「ちょっと思い出しただけ」で片付けて良い問題ではないんだけど、、

とにかく、りょう達24期はこのライブが彼らにとってやってよかったものになって欲しいし、この同期で作った豪華客船でどこまでも航海してほしい。全員売れろ。24期に幸あれ。

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