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小学校で学級裁判にかけられた話

先日「借金を繰り返す人間の思考」の関連で書いた「なぜ手に入れれば幸せになれると思っているのか」の中で、小学校の頃転校してからだんだん意識が変わったと書きました。


実は、転校後に軽いいじめに遭いまして、まさかの学級裁判にまでかけられたんですよ。

今時、学級裁判なんて漫画かアニメにしか出てこないと思うので、当時のことを書いてみます。

ただ、相当嫌な記憶だったようで、ほとんど覚えてないんです。だから、内容はいつも以上に薄いんですが、薄くなってしまうくらい壮絶に嫌な思いをしてたらしいことをお察しいただけたら幸いです。

ちなみに、転校したのは平成3年、私は小学校中学年でした。

一つ世代が前なので、今とはちょっと世の中が違ったりするのはご了承くださいね。


私立か市立か

転校前は、本当に平和そのものに生きてきました。

母方のじいちゃんばあちゃんと妹と4人で、横浜の端っこの方で暮らしていて、友達もたくさんいたし、クラス内の派閥とかカーストとかいじめとかそんなものもなく、元気いっぱい毎日を生きる小学生でした。


が、転校先の東京の小学校では、クラス内にリーダー格の女の子が1人いて、転校初日からその子に目をつけられていました。

「横浜市立○○小学校から転校してきました、まきのです」とみんなの前で挨拶をしたら「私立?」とかなり興味津々に聞かれました。

私立か市立かをいきなり聞いてきて、そこに拘っている彼女は、当時進学とかエリートとかそんなのに関わってこなかった私の目には異様に映り、その時のことを今もはっきり覚えています。

どうやら彼女は有名な進学塾に通っていたようで、すでに目指すべき私立中学など道筋が決まっていたようです。

加えてお金持ちらしいこと、見た目が整っていて小学4年生ながら「美人」という言葉が似合うような子でした。本当に可愛かった。

ちょっとハーフっぽい顔立ちで、スタイルも良くて、勉強もできて、体育も得意。足も早い。

まさに絵に描いたようなリーダーでした。

名前も完全に覚えてます。忘れられるはずがありません。


リーダーからの嫌がらせ

この子を中心として取り巻きが数人。まさに漫画でよくみるような感じでした。

リーダーちゃんは、当時私が苦手なことや恥ずかしくてすぐにはできないことを目ざとく見つけては、「ねー、○○やってよ」と言ってきて、みんなの前でやらされたりしました。


それと、指をポキポキ鳴らすのありますよね?

私それまでやったことなかったんですが、突然彼女にやられて痛い思いをしたこともありました。

「手をかして。気持ちいいから」と言われ、なんだろう?と手を出したらやられました。超痛かった。


またある日は、私の足が遅いのをいいことに鬼ごっこを始め、毎回私が捕まり、罰ゲームとして何かをやらされる。


ある日は筆箱を隠されたり、他の子ならいいと言っていたのに私が頼むと「えー…」と受け入れてもらえなかったり。


周りの男子もからかい始めたりしました。

私、アトピーとかアレルギーがあるんですが、「アトピーおんなー!」とか言われた覚えがあります。

そんな風に言われるほど、見える範囲に症状は出ていなかったんですけどね…。


はたまたある日は、先生が授業で「ビデオカメラを操作してみよう」とビデオカメラを持ってきてくれた時、リーダーちゃんは私の方にカメラを向け、ズームアップするなど、何かと笑ものにしようとしていました。

これ「それだけで笑ものにしようとしたと思うの?」と思う方もいるかもしれませんが、カメラの操作のあと、撮った映像を実際TVでみるんですよ。


自分だったらどうですか?

カメラ操作の順番がくるまでは、漢字の書き取りだったかをしてたと思うんですが、その様子を他人が断りもなく無言で自分にカメラを向けて、自分をずーっとズームアップしていくんです。

再生すればその様子が映し出されて、それをみんなが見るんです。


私これすごくいやでしたね。馬鹿にするために撮られているのがわかってるから。

彼女なら絶対私にカメラを向けるとわかっていたので「やっぱりな…」と思いながら、笑ってピースしてやった覚えがあります。

笑に変えないと心が折れそうだったから。


とはいえ、流石に気が滅入ってきて、学校を休みがちになりながら、「リーダーちゃんが中心なんだ」「従わないともっと嫌なことをされる」と理解していったようでした。

また、嫌なことをやらされるものの、世間でいういじめほどひどくないと思っていたから、誰にも言わずに溜め込み続けました。


そのストレスのせいか、過食してどんどん太っていきましたね。


ある給食の時間

転校して数日くらいのことだったと思います。

とある男子が、給食の時間中にずっと私の方に中指を立てて、ニヤニヤ笑っていることに気がつきました。

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給食の時間中ずっとです。

こちらをチラチラみながら、なんだろう?とそっちを向くと、ニヤニヤしながら中指を私に向かって立ててくる。

そして、その男子のそばにいるクラスメイトも、なんだかおかしそうに笑っていました。


横浜の端っこで、平和な小学生として暮らしていた私は、これがなんなのかわかりませんでしたが、いいものではないこと、馬鹿にされていることはわかりました。


あんまりにもしつこくやってきたので、私は席を立って精一杯勇気を振り絞り「あなたって最低ね!」と言い放ったのでした。


すごい、今そんなこと私できない(笑)というか小学生のいうことか(笑)


今だからこそ、しょうもない小学生男児のやることだし、と思えますし、「あなたって最低ねって昼ドラか何かか(笑)」と思いますが、当時は必死で、やっと出たのがこの言葉でした。


しばらくして突然の

さてその後、しばらくは平和に軽いいじめを受けながら、東京の小学生の生き方を着実に学習し、どんどん自分を殺しながら順調に「イマドキ・トーキョー小学生ライフ」を過ごしていた私。

リーダーちゃん達以外にも仲良くしてくれる友達ができたので、その子たちと遊んだりしていました。

これだけ見ると、やっぱりいじめなんて言えないんじゃない?と思うかもしれませんが、実際のところ結構しんどかったです。


そして、しばらくたったある日の学級会で、突然学級裁判を開くと言われたのです。

しかも被告人は私。あまりの衝撃と、嫌な気持ちで実はその辺の記憶がほとんどありません。


学級裁判

もちろん、担任の先生もそこにいました。女性の先生でした。

今では考えられないかもしれませんが、先生は何も言わずその模様をみていただけでした。確か、教壇向かって左の方で座っていたように思います。

机はこんな感じで並べられてました。

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グレーが生徒、赤が私、教壇には確かリーダーちゃんか、その時の学級委員がいたように思います。

裁判の内容は、私が給食の時に男子に「あなたって最低ね!」といったことが酷すぎるというものでした。


この時、全員が敵でした。

仲良くなった友達も助けてくれなかった。関わらないようにずっと黙りこくっていました。


また、給食時間の件以外にもあれやこれやを、色々な人から色々と指摘されたように思います。指摘されるほどの凄い人物ではなかったはずですが、転校生と言うだけで色々目についたようでした。

全然関係ないことを、全然関係ない男子から指摘されたり、何かの発言に対して「そうだそうだ!」みたいな声が上がったりしたのも覚えています。内容は覚えてないですが。


私は中指立てられていい気分しなかったことや、中指を立てるカルチャーを知らなかったことを話した覚えがあります。


色々言われる中で、リーダーちゃんからは「みんなが傷付いたんです!!謝ってください、今ここでみんなに!!」と私にいいました。ここはすごく覚えてる。


「みんなが傷付いた」
「私のせいで傷付いた」
「私がクラス全員を傷つけた」


これは、私の精神面にとてもとても大きな傷となったと思います。

実際「あなたって最低ね!」と言われた男子は気分が悪かったと思いますから、そのことは私も謝るべきだったのでしょう。

しかしこの一言がクラス全員を傷つけたと言われたとき、「あの男子と一緒に私を馬鹿にして笑っていた人たちは、どうして怒られないんだろう」と思ったような気がします。

本当に記憶が飛び飛びなんですが、いよいよ責め立てられるのが苦しくなって、その場にいるのが嫌になった私は、納得いかないまま「最後に、全部まとめてごめんなさい!」と全員に頭を下げ、学級裁判がようやく終わったのでした。


その後妹に火種が飛ぶ

リーダーちゃんには弟がいて、妹と同じクラスだったようです。

私が中指に異論を唱えたばっかりに、妹はリーダーちゃん弟に虐めらていたようです。

リーダーちゃん弟も、そのクラスのカーストトップだったようで、妹はハブられたりたくさん嫌な思いをしていたようです。


私が学級裁判にかけられたことや嫌な思いをしていることは家で誰にも言いませんでしたが、妹もまた、家の中でそれを言うことはありませんでした。

ただ、月に一度くらい全校生徒が校庭で給食を食べるイベントがあり、その際妹がいつも一人きりだったのをみていて、自分のせいで妹までこんな辛い目に合わせてしまっていたなんて…と、苦しい思いをしました。

「また、私は、人を傷つけている」

そんな気持ちを持ったように思います。

この辺からより一層、自分の存在価値とはなんなのかわからなくなっていったように思います。


小学生のまきのが学んだこと

美人で、頭が良くて、スタイルが良くて、影響力のある人間の言うことは、正しくなくても、正しいことになり、逆らうと吊り上げられる。


こんな風に文章的な理解はしていなかったと思いますが、まあそんな気持ちが盛大に刷り込まれたと思います。


元記事の「なぜ手に入れれば幸せになれると思うのか」では

ダサい人や太っている人は、それだけで馬鹿にされ、虐められ、嫌われると思っていた

と書きました。


この小学校の時の体験では、美人のクラスカーストトップが成功し、私はどん底に落ちるような構図となり、美人で、頭が良くて、スタイルが良くて、影響力のある人間でない者は成功することができないと、記憶することになったように思います。

私は決してダサいとかデブとかでは虐められませんでしたが、色々と歪めて心に落とし込んでしまっているみたいです。

もちろん、「ダサい人やデブだと嫌われる」という思考になったのは、これだけが原因ではないと思いますが、それはもっと自分を知っていかねばわかりません。


おわりに

こうして私は、小学校の頃のいじめに遭った経験が、大人になって歪んで発現し、たくさんの借金を作るまでに成長しました。


でも、こんな私でもこうして生きていて、自分を変えようと思うタイミングがきました。

あの経験から得た傷は大きいものだと思いますが、それもなにか必要な経験だったんだろうなと今は思います。


でも、それはその経験から時間が経ったことや、いまその最中にいないからこそ言えるのだと思います。


今自分がその渦中にいたら、そんな明るく考えられません。

1人ただただ苦しくて辛くて誰にも言えない・言わないで、そっと絶望していくんです。

そして、それは大人になっても大きな影を落とすことになることを知ってもらえたらなと思います。

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