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「晩御飯、何にしようかしら?」と考えてくれる人に「ありがとう」を。

日曜日の夜。

スーパーから帰ると時計は18:40。
「あ。」と思いテレビをつけるとサザエさんの声が。

随分久しぶりに観たがとてもグッときたので
この「グッときた」をここに残しておこうと思う。


今夜放送分の最後のエピソードは
ワカメがサザエとフネが晩御飯のメニューをどうやって決めているのかに興味を持ち、彼女なりに解明していく姿を描いたものだった。


皆も知っている通り磯野家は7人家族。
男たち、波平とマスオさんは会社勤め。
専業主婦のサザエとフネが朝から晩まで料理を担当する。

アニメ・サザエさんにご飯のシーンは欠かせない。

朝ごはん、昼ごはん、晩御飯(おそらく晩御飯のシーンがいちばん確率が高い)のシーンでバランスの取れた充実したメニューを囲み、一家が団欒する。


そのシーンにおいて私は彼らの会話以外で
特に気にかけることはなかったが、今日の放送でワカメがこんな切り口でストーリーを進めた。

「お姉ちゃんたちはどうやって毎日晩御飯のメニューを決めてるのかしら?」

きっかけはサザエとフネが今晩の晩御飯のメニュー決めに煮詰まり
あみだくじで天ぷらに決めたのを見てショックを受けたことだった。

「お姉ちゃん、私たちの晩御飯をあみだくじなんかで決めてるの?!」


「あら、見てたのね。今日は母さんと晩御飯のアイデアを出していたらたくさん候補が出て決められなくなったからくじをしたのよ。」


「な〜んだ〜いつもそうじゃないのね。」

と、安堵するワカメ。ここでワカメがいかに自分の姉や母が作る食事に思いがあるのかを垣間見る。


そこから普段彼女たちがどうやってメニューを決めているのかを観察することにしたワカメはご飯作りや買い物のお手伝いを始める。


タケノコは父さんの好物で、マスオさんは菜の花が好きで、、、とスーパーで食材を選ぶサザエさんを見て

「姉さん、家族のことを考えて買い物しているのね!」とワカメ

冷蔵庫に白滝と豚肉があるから今日は肉じゃがにしようか〜と話すふたりを見て

「冷蔵庫にある食材でメニューを決めてるのね!」とワカメ

翌日の夕飯はコロッケで、その中身は前日の肉じゃがのアレンジだと知ったワカメは

「残り物から別のメニューを考えるなんて、、お姉ちゃんすごい!」とワカメは感嘆する。


そして他の家族に向かって自慢げにその「裏話」を披露する。


今晩ワカメが明かしたのは

①毎日家族を気遣って献立を考え、買い物に行き、人数分つくり、食べさせるのは中々大変なことだということ。

②食べるだけの人は当然のように受け取りがちであるが、それは感謝すべき行為であるということ。


そもそもなぜ私自身今日の放送にこんなに心打たれたか。

一人暮らしを送る新卒入社の会社員である私はこのコロナウイルスの状況ということもあり毎日自炊生活だ。

もともとあまり料理にパッション高く向き合うタイプではなく、お腹を満たせればいい。美味しいものは外食すればいいし〜という考え。

しかし、このご時世外食はもちろんできない。自然と毎日自炊になる。


そして気がついたのは「1日三食食事をつくるのはとても大変(面倒)だ。」ということ。


時間が取られるし、食材を揃えに頻繁にスーパーに行き、家にある調味料や材料を考慮してこれから何をつくるか考えねばならない。


そうして母のことを思った。
「うちのお母さん、すげえな〜。」と。


うちは昔から共働きで、なんなら母の方が父よりも仕事が忙しかった。
しかし、長い間ほぼ欠かさず朝ごはん、お弁当、晩御飯をつくっていた。

私が小学生の時は、大学生の姉ふたりや両親の中でいちばん時間のある私が時々晩御飯を担当することもあり、その時は両親共に随分喜んでくれていたのを思い出す。

それはさておき
思春期を迎えた私は姉と「お母さんはあまり料理上手じゃないね。」と話していたことがあった。

冷凍食品やレトルトを多用するし、料理にあまりレパートリーがない。

そんなことを言ったことがある気がする。


今思うと全くそんなことはないと思う。

確かに平日はそう言ったことが多かったが、土日の晩御飯はいつも
「何食べたい?」と聞いてくれた。

母の作るコロッケが大好きだった。
休日だけ食べれる、お母さんの味だったから。


私は母にどれだけ「ご飯作ってくれて、ありがとう。」と言ったことがあるか考えた。


全く思い出せなかった。

とても心苦しく、恥ずかしくなった。


「美味しい!」と言っていたとは思う。
でも改めてその作る行為に、メニューを考える時間に、家族の健康や好みを思う心遣いに「ありがとう。」と言ったことはあるだろうか。


ワカメは言っていた。「ありがとう、お姉ちゃん。」と。

彼女は知ったから。
家族の為に料理を作ることがどれだけ手間と時間がかけられていて、そこにつくる人の思いやりが込められていることを。


今、コロナ感染の深刻化によって
在宅勤務になったり、出社日数を減らしたり
思うように買い物に行けなかったり
子供が保育園や学校に行けず家で面倒を見なくてはならなくなったり
と状況がイレギュラーになっているところだろう。


この状況はとてもストレスフルだ。


今日のサザエさんを見て
奥さんに、旦那さんに、お母さんに、お父さんに
あなたの為にご飯を作ってくれる人に
「ありがとう」を伝えたくなった人はどれくらいいるだろうか。


こんな時だからこそ
いつも当たり前だと思っていたことに目を向けてみたい。
身近な人の身近な行動にこそ私たちは感謝すべきであって
それは以前は当たり前だと思い、気にかけもしていなかったかもしれない。

お家にずっといるのは辛い。
毎日毎食ご飯を作るのは疲れる。
頻繁にスーパーに行くのは面倒だ。

こんな時こそ知ることができる、感謝があった。


ワカメちゃん、ありがとう。
私も次お母さんとご飯を食べるときに「ありがとう、作ってくれて。」と言おうと思う。


あなたも一言言ってみたらどうだろうか。
「今日もご飯作ってくれてありがとう。」って。



ごちそうさまでした。
明日は何を作ろうかな。


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以下、全く大したものつくれない私のささやかな自炊ご飯を記録。(笑)
料理メンドクサイマンの小さな成長日記。笑


見返すと本当に大したことなかった(笑)
凝った料理を日々つくり続ける皆さんは、本当すごいやあ。

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