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桜の並木道を歩く二人を見た -チェリまほ THE MOVIE 感想というか補完作業-

どうも、公開初日を含めた3日間で、合計10回映画を見に行った者です。ただ、今のところ前売券しか使ってないので、そこまで興行収入に貢献できていないと思いますが。今後も週末に一度は通いたいと思うほどに、チェリまほへの愛というか、チェリまほファンへの愛に溢れた内容でした。

※ここからはネタバレだらけなので、ネタバレが嫌な方は回れ右でお願いします。

初回の印象

これは予告で聞いた「おとぎ話は…」というモノローグの印象ですが、安達、声低めと言うか、普段の赤楚さんくらいの声の高さにしたのだなと思いました。(ドラマの時は確か、意図的に声を高めにしていると仰っていたので)

映画を見た感想の前に自分のスペックですが、長年シングルスレッドな働き方をしていたので、一つに集中すると他が見えなくなる傾向にあります。後、割と小物に集中しがちで、初回の最初は「王子と魔法使い」の本の方に集中して見ていました。なぜかと言うと、この本はアクリルスタンドにもなっていたので、安達にとって思い入れのあるものだと思ったからです。自分の想像では、安達はドラマのオープニングで絵を描いていたので、安達が映画の中で描いた絵本なのかな、と思ったりしました。

初回視聴時に7回泣きました。確か、心が揺さぶられるところで泣いていたかなと思います。安達と黒沢に主に感情移入していたかと思います。
「これはファンのために、原作とドラマの印象的な部分や大事な部分を再現した映像だな」と言うのが素直な感想で、原作もドラマも赤楚さんも町田さんも好きな自分には最高の物語でした。

話のラストでまさか披露宴を見られるとは思わず驚き、確かその時も泣いたと思います。その後で2人が歩いているシーンは、安達の顔を見ると、今後の未来が楽しみな予感に溢れているように感じました。

そう、私の脳はシングルスレッドなんです。安達の顔しか見ていませんでした。黒沢も安達と同じように、笑顔なんだと思い込んでいました。そして何故かわからないのですが、並んだ木々に桜の花が咲いているように見えたのです。恐らく披露宴の後だったからでしょう。周りを歩いている人は全く気になりませんでした。

10回見た感想・考察

冒頭

冒頭は冬なのか、暖かそうな格好をした安達が、移動本屋で絵本を開いて読んでいます。私の想像では、安達が自分の体験をもとに描いた絵本。左手の薬指には指輪が。ということは、ご両親に挨拶した後の世界なのでしょう。
先程予告の印象で、ここのモノローグの声が低めだと感じたのですが、よく聞いてみると長崎編でのモノローグは声が高めなので、冒頭はもしかすると、少し未来の安達なのかもしれません。

ドラマダイジェストで、安達と黒沢、柘植、浦部さんたちが出てきて、ドラマのストーリーがなんとなくわかります。
最後はエレベーターでのキスで締めくくられ…その後10Fのエレベーター前で1人エレベーターを待つ安達が出てきます。この安達は魔法が使えるので、時系列的には12月か1月の転勤前の安達でしょう。そこからクリスマスイブの夜へと時間が巻き戻ります。巻き戻る途中で出てくる安達のズッコケシーンと安達と黒沢が一緒に出社しているシーンは、特典映像か何かで入りますかね?(笑)

クリスマスイブの夜

クリスマスイブの夜、事を始めようとしたところで、いろいろ邪魔が入った結果、お腹の空いた安達のために、黒沢がチキンラーメンを作ることを提案。未だに一瞬黒沢の笑顔が消えた意味がよく分かっていません(笑)。個人的には、その後心の声で「あー…いいところだったのに…」と残念そうにしていたので、「安達は食欲の方が強いのか…」とチキンラーメンに嫉妬していた説を推します(笑)。
予告で見た夕食…いや、夜食を2人で食べるシーン。ドラマ2話のオマージュかなと思いました。

クリスマスイブの後、週末デートの前

混み合ったエレベーターに乗る2人。1話のオマージュかなと思いました。ただ、ここは安達がいろいろな人の心の声を聞いて具合が悪くなっているところで、黒沢が心の声で話しかけるので、黒沢の気遣いや優しさが見えるシーンでもあると気付きました。

そして「俺はまだ、魔法使いのままだ」とモノローグがあり、「Gimme Gimme」が流れ始めてタイトルが入ります。

週末デート

キャンプシーンのニジマス釣りで、安達に触れた際、「はしゃいでる安達、可愛い」との黒沢の心の声に戸惑う安達が可愛らしいです。あそこのシーン、多分ニジマスはスタッフが操っているのだと思うのですが、どうなんでしょう。それにしてはリアルな気がします。
あと、安達が薪を運んできたシーンで出てくる黒沢の背後のテントの中に、ギターがあることに気付きました。黒沢が安達に曲を披露したのでしょうか。しかし、車があるなら良いのですが、都内勤務であれば車を持っている可能性は低いので、公共交通機関を使ってキャンプ場まで楽器を持ってくるのは大変ですよね…。
心の声の映像で見えた安達の様子、あまりにも焼きマシュマロが多いので、とろけるチーズでも食べてるのかと思ってしまいました。焼きマシュマロってあんなにたくさん食べるものなんですね…。

山登りのシーンでは枝のことを「木!木!」と言いながら拾い、杖代わりに持っていくのですが、可愛らしかったですね。ただ、確か川を渡る頃には枝が無くなっていた気がします。山登り時は服装が変わっていたと思うので、キャンプの次の日に登ったのでしょうか。それとも山登り用に別の服を用意しているのでしょうか。キャンプも山登りもほとんどしたことがないのでわかりません!

見事な滝を見ながら笑顔を見せる安達に、これまた笑顔になる黒沢。幸せそうに手を繋ぐ2人。2人には本当に、ささやかにでも、ずっと幸せを感じていてほしいです。

大晦日の夜、初詣

2人で黒沢手打ちのおそばを食べ、みかんを食べながらテレビを見て、そして一緒にカウントダウンをして年始を迎えます。しかし黒沢の気合の入りよう、凄いですね。おそばの手打ちは、なんだか乾麺から作るよりもお金がかかる気がします。毎年作るつもりなのでしょうか。一緒にカウントダウンをしたときに、3でお互いの顔を見た意味は何なのでしょう。3でリアクションというと世界のナベ○ツくらいしか思いつきません。

その後、初詣へ。2人でのシーンも4人でのシーンも、それぞれの仲の良さがわかって嬉しかったです。二人で一緒に鈴を鳴らしていましたね。黒沢というか、町田さんの手を合わせる様が美しかったです。
湊が安達に嫉妬するのは、少し意外に感じました。まだ信頼関係が築き上げられていくのに時間がかかるのでしょうか。
柘植がキュンというのはドラマ2話でしたっけ、そのオマージュと思われるものが湊の嫉妬後にありましたね。こんな風に、たびたびキュンキュンしてるんですかね。

転勤話

安達のこれまでの成果が部長の目に留まり、最新の店舗・長崎の立ち上げの話が安達に提案されます。ドラマの12話で、「ずっと一緒にいてください」「はい」という言葉を交わした二人。転勤してしまうと、初詣のときに黒沢が計画していたことを、東京でできなくなってしまいます。

安達は現場で働ける機会や高待遇に一瞬喜びますが、黒沢のことを考えて悩んでしまい、浦部さんに相談することに。結果、飲みすぎて体調が悪いにも関わらず、浦部さんは早朝のエレベーター前で、黒沢に安達の転勤話を話してしまいます。恐らく安達としては、黒沢に言わないことで、転勤話を無かったことにしたかったのでしょう。しかし、浦部さんは、恐らく安達のためを考えて、優しさから安達と仲の良い黒沢に伝えてしまいました。浦部さんから話を聞いた黒沢は、当然険しい表情を見せます。(安達に相談してもらえなかった……。浦部さんには相談したのに。なんで相談してもらえなかったんだろう。)そのような表情に見えました。

橋の上での会話

夜に橋の上で安達を待つ黒沢。同じ会社なのに待ち合わせ場所が会社から離れているのは、監督がこの場所をこのシーンのために使いたかったからなのでしょう。このシーン、周囲に誰もいないにも関わらず、一度も手をつなぐところがありません。それはきっと、安達と黒沢の気持ちが離れているからだろうと感じました。

そして電車の通過音による心の表現は、10話のオマージュかなと思いました。通過音による表現は、個人的に好きです。

すみません。本当はこの後も細々と書きたかったのですが、ダラダラと長くなってしまっている上に公開されたばかりの映画について書きすぎているので、ここからは抜粋して書きます。

安達から"触れる"シーン

水も滴るいい男な黒沢さんが、まるで幼い子どもがわがままを恐る恐る言うように本音を零します。その後、安達が愛おしい気持ちを表現しようと、黒沢の頭に恐る恐る触れ、まるで壊れ物を扱うかのように優しく撫で、そして優しく唇を重ねに行きます。そして安達の右手と黒沢の左手がゆっくりと、そしてしっかりと結ばれていきます。背後に揺れる黒沢のタオル。恋人繋ぎなので、手の密着度が高く、"触れる"最上級です。きっと安達には黒沢の想いが手を通して流れていっていることでしょう。そう考えるとなんだかとても官能的に思えてしまうのは私の気のせいでしょうか。

披露宴

私はこの披露宴は、現実か、もしくは近い未来に実現できるものだと思いました。きっと、ここに至るまでの経緯が何かしらあったはずです。何故かというと、安達と黒沢の両親に認めてもらうだけでは、会社の同僚や部長を含めた披露宴は、難しいからです。参加者全員が、何の前触れもなく笑顔で披露宴に参加したとは、現在の日本では少し考えにくいです。

ラストシーン

10回見る間に、他の方の感想を読んで、最後2人で歩くシーンの、黒沢の表情に気付きました。私は何故この表情に気づけなかったのだろう。ただ、安達は最初に見た印象のままで、黒沢と2人で歩んで行くことに希望を見出しているようでした。周りの人は何度見ても気にならなかったです。二人が堂々と歩いていたので。

ラストシーンの解釈については、私の初見時の印象はイレギュラー過ぎますが(桜並木が見えたので)、基本的にはどのように見えてもおかしくないと思っています。10人居れば10通り、100人いれば100通りの解釈があると思います。

この映画の魅力の一つは、Twitterなどで気づきを共有し、人が共有してくれた情報を自分で確認して見直すことにあるかな、と思いました。早くも円盤の発売が楽しみです。

時系列の考察(蛇足)

以前ドラマのタイムラインを書いた身なので、とても気になってしまう映画の時系列について、蛇足ですが書いておきます。

映画で流れたドラマのダイジェストの内容から、12話までと映画の組み合わせでストーリーを考えていたのかな、と思います。履歴書も黒沢が1990年生まれの31歳ですし、安達はモノローグでずっと自分を「30歳の男」と言っています。2021年の話を中心にしていたと考えたほうが素直かな、と思います。
一方、安達たちの住んでいる東京都北区は、2022年4月から「北区パートナーシップ宣誓制度」が開始しています。これに合わせて、2022年の話を中心に変えたのかな、と思いました。それでも、黒沢の両親に挨拶しに行った11月は安達も誕生日を迎えて31歳になっているだろうし、いろいろ辻褄が合わないので、「30歳」を「アラサー」と読み替えたほうが自然かなと思います。もしかすると2022年のカレンダーしか作れなくて急遽2022年になったのかもしれませんが……。

かなりメリハリなく書いてしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
今日はこれから11回目を見に行く予定です。喫茶店の本間Pと、ラストシーンに風間監督がいらっしゃるらしいので、探してきます。

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