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はじめに(冬が終わらない)

水道代タダなのと家賃がビビるくらい安いのが売りのココ"静市"っちゅうほぼ"山"な土地の、
さらに分け入った比叡山きわきわにそびえ立つは、えっへん我が牙城。

スーパーが等間隔に3つ、それも全部徒歩40分の距離。Amazonは必ず1日遅れで届く。
盆地のせいで夏は馬鹿暑くて冬は馬鹿寒い上に
春と秋がほぼ無い。

——僧か?

1年目から思ってるけど
ここら一帯に住んでるやつ絶対アホや。 
絶ッ対アホや。

まぁそんな利便性のかけらも都の趣も無い
アホみたいに只広いだけの土地で、
アホみたいな欠陥建築のアパートの中から

誰も救えないし救いようの無い
アホがシコシコ文筆をしております。

フロム・ジャパンで6畳一間、どうぞ宜しく。


「CQ、CQ、免疫を付けなさい!」
「メーデーメーデー、こちらコンビニの加工肉しか口に出来ません!オーバー!」

世知辛い世の中がさらに世知辛くなってからというもの、名前も国籍も知らない誰々と交信を続けてる。

こちとらずいぶん前から防腐剤やら化学薬品やらなんやに塗れた食べもんばかりで、急にそんなこと言われても、もうすでに腐らない丈夫な身体になってしまってる訳ですよ。
うーん、母さんに何て言おう。
あぁそうだ、産んでくれてどうもありがとう。

違うか。

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話は変わり、
僕の好きな人がこんな言葉をくれた。

「家の中で旅をすればいいよ」

そうだ、僕は旅がしたかった。
この1年は色んな土地に行って色んな人と出逢ってそしてそのみんなに恋をするんだ、と
吟遊詩人さながら、己の足を使って作品を届けるんだとはしゃいでたら、
気が付けばお祖父さん譲りの自慢の鼻はグキッと折られてた。

出鼻を挫かれるとはまさにこの事、
ちくしょう、コロナの野郎。ゆるさねぇ。

でも僕はいつだって旅人だった。
たった6畳一間でも、国を超え、作品の枠を超え、時系列を超え、色んな人に出逢ってきた。

そしてその全員に恋をしてきた。

なんだ肉体性か精神性かの違いじゃないか。
何も変わらないじゃないか。

そうだ、村八分には慣れてるじゃないの
僕の愛しの愛しのモリーよ。
泣かないでおくれよ
時代を追いてきただけなのさ。

今まで通りだ。
君をアホだと罵るやつを僕は許さない。
君を好きだと近づくやつを僕は信じない。

「書を捨てよう、街へ出よう」だなんて
寺山修司は言うけれど、

知るかぁ、んなもん犬に言ってやれ!



改め、宜しく。


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