原発温泉

 山梨に海はなし。たとえなくても、ここは海洋プレートの交差点。正徳寺温泉に芋掘りで冷え切った躰を温めながら、そんなことを考えて壮大な気分になった。壮大な気分になれば、桜もモリカケも、小さな問題。そうだ、あれ自体はつまらん些末なことで、ほんとうの問題は零点のテストを隠蔽するため自宅に放火するような、公文書の改ざんや破棄であり、そんな子供が日本丸の舵を握っていること、なのではないかいな。

 宿の料理と風呂上がりのビールに日本酒、壮大な気分のまま後部席で爆睡、気がついたら自宅前。あとは寝るだけ、と便所に座りながらドアに貼った日本地図をボケっと見ていて発見した。
 伊豆半島から伊豆諸島へ続く直線はフィリピン海プレートと北アメリカプレートの衝突によるシワ。シワ寄せってくらいだから、シワは衝突部分にできるとは限らない。日本アルプスをつくる中央構造線、フォッサ・マグナは北アメリカプレートとユーラシアプレートの衝突部分の西側にできたシワ。では、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの衝突によるシワはってーと…
 一本の線が浮かび上がった。あ、これかあ。半世紀以上、日本列島で生きていて気がつかなかった。二十歳の夏、渥美半島の形が面白いからと友人3人で出掛け、突端で無為に何泊か過ごした。あのメロン畑がどこまでも続くひょろ長い直線は、九州まで続いていたのか。
 そしておもった。もともと活断層だらけの国土ではあるけれど、なかでも伊方原発てのは人類史上まれに見る、想像以上に壮大なスケールの愚行なんじゃないかしらん。

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