★作家、岸田奈美氏のnoteをフォローした

お名前だけは存じ上げていた。元ツイッターのXで「ガンダムを見ている」という趣旨のポストを見かけたからだ。その後、NHKでドラマの予告を見た。その時「え、この岸田っていう人、あの岸田っていう人?」ということが分かったのだが、だからnoteを探したのではなく、ひとさまのフォロワー欄をたどって、いわゆるネットサーフィンをしていたら、たまたま岸田氏のフォロワーさんがいらっしゃったのだ。「あ、noteのアカウントあるんか」と思い、アイコンをクリックした。

そこには面白そうなタイトルの記事がたくさんあった。とりあえず、目に留まった記事を読む。なぜか鍵のマークがついていたが、気にせずに読み始めた。タイトルは「玄関をスマートロックにしたら締め出されて真夏の米騒動」。読み進めて、

「ぅあぢぢぢぢぢぢぢぢぢ」(引用)

のところで気づいた。口元がゆがむ。あかん。

これは人前で読んだらあかんやつ。

私は、割と軽やかに笑うが、妙にツボに入ったものに対しては「クッ、クックック、クククククッ、腹が痛え」と、つい笑いを抑えこんでしまう癖がある。この時もそうだった。しかもすぐそばに母がいる。吹き出そうものなら「なにを笑いよん、気色悪いなあ(訳:何を笑っているの、気持ち悪いわね)」と言われかねない。言われてもいいんだが。

しかしとにかく目は文章を追ってしまう。ますます口がゆがみ、唇がプルプルと震えだす。私は最大限の意志の力で読むのをやめた。部屋で一人で読もう。どんなに笑い悶えても人の目はない。そして自室で心置きなく読み進めた。だがしかし。米騒動が出てくる前に、

「ここから先は」(引用)

なんなほれ(訳:なんじゃそりゃ)。
ここまでスクロールさせておいてオチは有料だと?今までの笑いを返せ!こんちくしょう!

だが待て待て。岸田奈美はプロの作家である。岸田奈美はプロの作家である。大事なことなので二度言いました。プロが書いた文章というのは、お金を払って読むものではないか。私はいつも本屋で本を買っているではないか。さすが、大阪の人は商売がうまいなあと思っていたら、岸田氏は兵庫の人だった。兵庫か。子供の頃、「あわじしまのに、なんであわとちゃうん?うわあああ!(訳:淡路島なのにどうして阿波じゃないの)」と号泣はしなかったが理不尽を感じた思い出が、あったなあ。

千円。貧乏な私には、いやしかし本は買ってるし。これも本のようなもの…と思い始めたら、また気がついた。

¥1,000 / 月(引用)

/ 月(引用。ここ大事)

毎月。映画のサブスクリプションを放置してまるまる数か月、料金を払っただけ、という実績を持つ私である。躊躇しても文句は言われまい。考えてみれば、鉄のカーテンならぬ千円の壁の向こうの米騒動に思いをはせるのも、また一興。「つべこべ言わんと払てしまいなはれ」という岸田氏の声が聞こえる。幻聴か。とりあえず、アカウントを見失わないようにフォローしておこう。すでに岸田トラップに捕らわれている気がする。私はいつか、どうしてもオチが知りたくて「キナリ★マガジン」を購読することになるのだろうか。

ここは詩作品を載せる場と決めているので、こういう投稿は今回限りとする。したい。今回限りとする。


追記:別の記事を読んでいてわかったことだが、「岸田奈美のキナリ★マガジン」は継続購読でなくても読めるらしい。補足しておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?