マガジンのカバー画像

工藤吉生の『未来』の短歌

49
歌誌『未来』に掲載された短歌のまとめ。2016年1月号から。彗星集。 投げ銭方式なので、無料ですべて読めます。
運営しているクリエイター

2019年7月の記事一覧

枯れ枝と財布【短歌10首】  ~『未来』2019年7月号

枯れ枝と財布【短歌10首】  ~『未来』2019年7月号

枯れ枝と財布   工藤吉生

におい付きの風がでてきて春になる虫も変態たちも目覚めて

微笑んで穴掘る人はいないのだ「のだ」なんて言うから土になる

オレ、飛沫、わりと見るかも だいたいは透明なのが多かったかな

ピンクの雲いいなさわってみたいなあ財布にいくら入ってたかな

魔王と言い枯れ枝と言う子と父で馬の手綱を握るのは父

筆くわえアシカが新元号を書くみたいな・でかい白紙みたいな

体液を拭

もっとみる