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花屋の客をじっと見つめる人のうた

花屋の店先に並ぶさまが「どれもみんな綺麗」とされるのは、
それが事実であることはもちろん
「いろんな花」が並んでいるからではないだろうか。

扱う品種が同じで、同じ色だったらどうだろう。
「綺麗」と評されるのはその群れ、その花屋、その場所になるのでは?
花はひとつひとつに焦点を当てて見るものではなくなり、フォトジェニックスポットを構成する点の集まりのひとつになる。
ネモフィラ・菜の花・ひまわり・彼岸花などの群生地ように。

その中に別の種や色の花が混在したらどうなる?

ある種の緊張感が生まれることは間違いない。
周囲とくらべて
ひときわ華やいだ魅力を放っていれば、
群れの中でも映え、目を惹き、持て囃され、一際愛でられることもあるだろう。
逆ならば、保たれた秩序を乱す存在として見做され
矯正が試みられ、それが叶わなければ排除され、
最悪ハナからなかったことにさえされる恐れがある。
周囲の数の圧と、それを維持・支持する層の人間の力によって。

言わずもがな、これは花屋や野に咲く花に限った話ではない。
同じ地域という枠に囲まれ、
同じ基準服を着せられ
赤と黒のランドセルを背負った頃、
人によってはもっと昔から
似通った力を感じてきたことと思う。

「『見た目』っておおきい」とよく考える。

幼少期から理解していることだが、
容姿の一部を一時期変えさせる活動を続けるうちに、考えない日はないと言っていいほどとなった。

こんなはなしも今後ちょくちょく書くことになる

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