見出し画像

RRRネタバレあり Naatu Naatuおめでとう!

セオリーとか、予定調和が蹴散らされる
ジャイアントキリング
なんて気持ち良い。

以下RRRのネタバレ含む。

Naatu Naatuは作中で
「(イギリスの紳士淑女が知ってる)サルサやフラメンコなど、君達(インド人、有色人種)は知らないだろう?」
と言うダンス得意紳士の嘲笑込の声高挑発から生まれる流れ。

それ以前に英語がわからない主人公のひとりアクタル(ビーム)は困惑。
わかる給仕スタッフは目線を下げ、ドラマーは肩とスティックを落とす。
あんまりな態度にこれには淑女の皆様も見ていて心地いいものではない。
そこへドラムの独特なリズムが響き渡る。
インド人パーティ参加者であるもう1人の主人公ラーマだ。
アクタルは気を取り直し、
ノッてきたドラマーは早速耳コピしてラーマのリズムを引き続き打ち鳴らす。

ラーマは紳士に告げる。
「サルサでもフラメンコでもない。my bro.」
「Do you know Naatu?」

ナートゥをご存じか
ここからラーマとアクタルの空気をガラリと変えるダンスシーンへ繋がる。

速いテンポ、体幹とステップの力強さ、2人の笑顔に淑女の皆様の心も躍り、
次第に挑発され返した紳士たちを巻き込んだ詳細不要のダンスバトルへ展開する。

アクタルはバトルを振り返り、ヘトヘトになるまで踊った理由をこう話す。
「兄貴に煽られた」
当の兄貴分たるラーマは、それを聞いて「かなわんな」といったような表情だった。

私はダンスシーンそのものではなく、
ダンスを挟んだこの展開っぷりが見事だと声を枯らして褒め称えたい。

3時間の物語のおもしろさがこのシーンにぎゅっと凝縮されている。
当然諸々の事情は省かれているが端的に言えば、他所から入りこむのみならず、驕り高ぶり、現地民の尊厳を下に見る
そんな相手をド派手に打ち砕く。RRRはわかりやすいストーリー構成だ。


そしてインド映画でははじめて、アカデミーで歌曲賞を受賞した。
作品賞とは異なるものの、それまであった壁に確かに風穴を開けたことには変わらない。
物語の大きなキーワードにもなっている「価値」が他国でしっかりと評価された。
物語ばりのジャイキリだ。
プレゼンテーターのディーピカーの笑顔にも感激ぶりがよく現れていた。
SNSではタミル語圏のラジニカーントや
ヒロインのひとり、シータ役を演じたアーリヤーはじめヒンディー語圏のスター達からも祝福の声が溢れんばかり。

作品のいちファンとしてもとても嬉しいです。
RRR観て!劇場で観てー!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?