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Herb vol.8|St. John's wort

【St. John's wort セントジョンズワート】
学名: Hypericum perforatum(ハイペリカム パフォレイタム)
分類:オトギリソウ科
主要成分:ヒペリシン、フラボノイド配糖体(ヒペロシド、ルチン)、ハイパーフォリン、タンニン、精油
効能:抗うつ、消炎、鎮痛など
適応:軽度〜中等度のうつ、月経前症候群(PMS)、創傷など
使い方:ハーブティ、湿布、スキンケアオイル、など
花言葉:「秘密」「迷信」「敵意」

6月の終わりから7月にかけて咲く、鮮やかな黄色い花とレモンのような爽やかな香りが夏を感じさせるセントジョンズワート。新約聖書に書かれているイエスの使徒・ヨハネ(St. john the Baptist)の誕生日、6月24日頃に花が咲くことから、「セントジョンズ」「ワート(古い英語で植物の意味)」と名付けられたと言われています。比較的丈夫な植物で、原産地であるヨーロッパをはじめ、今では日本も含めてさまざまな場所で見ることができます。

セントジョンズワートは非常に高い薬効成分を持ち、古代ギリシャ時代から、傷や打ち身、精神的不調などの治療に使われており、「魔除けの植物」「奇跡のハーブ」として重宝されてきました。和名はセイヨウオトギリソウ(西洋弟切草)。弟切草という漢字は、この植物(日本在来種のオトギリソウ)を使った家の秘伝薬を口外してしまった弟と兄の逸話が由来なのだとか。

近年でもメディカルハーブとして、チンキ剤や浸出油などを塗布し、傷の治癒や凝りの軽減などに使用するほか、ハーブティやサプリメントにして内服することでうつや不眠などの悩みをサポートする、メンタルヘルスへの効果が注目されています。

セロトニンやドーパミンの分解を抑えるヒペリシン、 セロトニンが他の神経細胞に再吸収されるのを防ぐヒペルフォリン。他の植物にはあまり見られないこの2つの有効成分がセントジョンズワートには含まれていて、それらが相互に作用することで、脳内のバランスを整えてくれるといわれています。

心に明るい日差しを注いでくれる、欧米では「サンシャインサプリメント」「ハッピーハーブ」と呼ばれるセントジョンズワート。心が沈みがちな時、そわそわと落ち着かない時は、あたたかなハーブティをいただきながら、ホッとひと休み。すっきりとした清涼感のある香りとともに、心もスーッと軽くなっていくことでしょう。

※さまざまな効果が期待できる一方で、ひとつ注意しなくてはならないのが、副作用についてのこと。薬を服用している方、妊娠中・授乳中の方などは、専門家や医師に確認してから摂取するようにしてくださいね。健康な方でも大量の摂取は控えましょう。

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