雇われて働くことしか、考えてなかったのに
「あ、もう組織をやめようかな」
そう思う瞬間があった。
それまで、現場では常にもどかしくて、怒ったり泣いたり、悩むことはたくさんあったけど、だからこそ組織に、業界の中にいて闘う必要があると思っていた。こんなおかしな精神医療と福祉のギョーカイを少しでも、中から変えていきたかったし、それが一番の近道だと思っていた。
何よりも、こんなおかしなギョーカイでも必死に生きる、頑張っている利用者さんのそばに、ずっといたかった。
支援だなんてえらそうに言うけど、新卒から20年。たくさん勉強させてもらい、励ましてもらったのは、私のほうだ。
それなのに、精神医療や福祉に日々、酷い目に遭わされている彼らの人権を、おこがましいけど、守らなくては、と勝手に思っていた。
でも。
そのとき私は、「もう、業界を、離れなければ」と、ふと思ったのだ。
家族の介護のことや、仲間と立ち上げた市民団体の忙しさなど、理由になることはたくさんあるのだけれど。
それは、きっかけにすぎない。
その決断は、空からふっと降りてきたような、不思議な感覚。
なんか知らんけど私は、次の段階に進まなくてはと、
迷いなく思ったのだった。
既婚、アラフォー、子なし。
家事へたくそ、運転こわい。
相談の仕事以外、なんもできないし、してきてない。
時間があると、ただただ、お笑いを見てるだけ。
こんなやつが、雇われる仕事をしなくなったら、どうなるんだろう。
嫌な予感しかしないぞーー(笑)
世間知らず、恥知らず?
さあて、この年とキャリアで、社会の歯車から飛び出しちゃった私が、
退職の手続きとか、扱われ方に、いちいち反応(笑!)する日々を、
まずはつづって行きます。
ひとつだけ言えるのは、全く後悔してないってこと。
なんとかなる。そう勝手に思いこんでいる。
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