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転職に失敗した話

 転職に失敗した。

 正確に言うと、転職自体は成功したものの、転職先選びを間違えて後悔している。
 次の転職で同じ失敗を繰り返さないように、自戒のために今回の転職を整理しておきたい。

なぜ転職をしたのか

 今回の転職の一番の目的は地元に戻ることだった。
 大学入学以降、地元からだいぶ離れた土地で生活していたが、年月が経つに連れ実家の諸々を考える必要が出てきた。きょうだいも居ないため自分が何とかしなくては…みたいな責任感を感じて、実家の近くで生活したいと考えるようになった。
 前職の待遇面・仕事内容・人間関係などはかなり満足しており、転職するかどうかは非常に悩んだ。しかし、「地元に戻る」という目的は転職でしか達成できる見込みがなかったため、現状の満足感と自分の中の責任感を天秤にかけて、転職に踏み切った。
 転職を決断した判断自体は間違いではなかったと今でも考えている。

転職活動を始める前に考えていたこと

 地元に戻ることが目的だったので、職種はそのままで、業種にはあまりこだわらず条件面で折り合えるところならどこでも…くらいに考えていた。今にして思えば失敗の第一歩はここから始まっていたのかもしれない。 

転職の進め方

 オーソドックスに某大手エージェントを活用した。担当とは色々やり取りをさせていただいたが、一番印象に残ったのは転職の"軸"をしっかり決めたほうがいいと言われたこと。その時はなるほど、と思って自分なりに考えたつもりではあった。
 転職活動を始めたのが年度終わり近くだったのもあって、若干駆け足気味の活動だった。3社から内定が出た時点で年度末が見えてきており、この時点で決めるか、まだ続けるかを選択する必要があった。僕はその時点で決めることを選び、3社のうち1番条件が良いところに入社を決めた。

何が失敗なのか

 「地元に戻る」という大目的は達成し、条件的にもほぼほぼ希望通りのところに入社を決められた。じゃあ何が失敗なんだよという話だが、条件面以外の数値化できない要素を考慮できておらず、尽くミスマッチを起こしてしまっている。
 まず、カルチャーが合わない。具体的に言うと、仕事の進め方とか、社内の合意の取り方とか、各部門の横のつながり方とか。現職の選考は面接一回だけで決まってしまい、この辺の雰囲気を感じ取るチャンスが少なかったと思う。
 また、労働条件というか勤務形態というか、そんな感じのものが面接で聞いてたのとだいぶ違っていたというのもある(身バレを防ぐためにボカしている)。いま辛いのはこれによる部分がかなり大きい。生活に直撃する要素であるにもかかわらず、事前に教えてもらっていなかったことから騙されたという印象が強い。最初から会社に対する信用が低いところからスタートしてしまっており、かなりモチベーションを削がれている。
 他にも色々あるが、ただの愚痴になってしまうのでこの辺にしておく。

なぜ失敗したのか

 ここが核心だが、結局は仕事に対する軸がしっかり定まっていなかったということなのだと今は考えている。一応エージェントに言われて考えてはみたつもりでいたが、今から考えると浅かったと言わざるを得ない。
 転職活動の中でどちらかというと条件面の方に注意が向いており、条件で折り合えれば仕事そのものはある程度妥協できる…と思いこんでいた。合わない働き方がこれほどしんどいとは想像していなかった。今思えば前職の働き方と相性が良かったため、働き方・カルチャーという要素を条件として意識できていなかったのかもしれない。
 また、このような選択をしてしまった要因として、決断を焦ったということも挙げられよう。卒業という明確なタイムリミットが存在する新卒の就活に比べて、実質的に活動のタイムリミットが存在しないのは転職の良いポイントだ。ただし、働きながら転職活動にも意識を割くのはなかなか大変で、当時の心境はとにかく早く決めて安心したい、というのがあったように思う。

反省・今後の課題

 正直、今の職場で長い間働くのは難しいと感じている。つまりそう遠くない将来、もう一度転職(あるいは独立など)をすることになるだろう。そのときまでに何を考えるべきか、何をするべきかを明確にしておきたい。
 1つは、仕事に対する自分の軸を明確にすること。これは人によって勤務地だったり条件だったり色々あるとは思う。人は当たり前と感じていることは意識しないので、思ってもみなかったことが自分にとって大事な軸だった…ということが起こり得る。1つだけではないかもしれない。自分が普段何を感じ、何を考えて生きているのかを深く考察する必要がある。
 もう1つは、焦らない、面倒臭がらないこと。たしかに、書類を書いて、企業研究をして、面接の準備をして、面接をして…というのは疲れる。働きながらだとなおのことだ。だが、手間を惜しんだ結果、合わない会社に入ってしまったらもっと疲れるのだ。また、面接においては合格したいという意識が先行しすぎて情報収集がおろそかにかになりがちだ。面接は相手方の社員・役員と直に接する貴重な機会なので、社風とか雰囲気とか、募集要項からは見えないニュアンスを掴むチャンスと捉えるべきだ。

今感じること

 率直に言って早く辞めたい。とはいえ、転職後あまり早く辞めると職歴がアレだ。また、未だに自分の軸が何なのか掴みきれていない。本格的に自己分析的なことをやり始めて何となく見えてはきたような気がする…が、他人に説明できるレベルにまで明確に言語化したい。それと、今辞めてしまうと現職で何も得なかったことになってしまう。正直言って合ってないし、向いてない職場だとは思うが、転んだのにタダで起きるのはしゃくだ。自分の心身が一番大事なので無理をするつもりはないが、辞めるのはこの場所でなにか成長できたという実感を得てからがいい。


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