同世代の感覚

きっかけは些細な事だった。
今のチームにアサインした時には既にリモート業務が始まっていた為、一緒に仕事をするメンバーの顔も実際に見た事が無い人が大半だった。
幸いにもzoomでやり取りはするので声は分かるが、昨今はカメラをONにしない人も多いので、声だけで相手を判別する事は難しかった。

少し前から、自分と業務として一対一で関わる人がいた。
その人と今日もzoomをしつつ仕事の確認を終えた時、自分はふと頭に浮かんだ思いを伝えた。
「日本のTwitterって、公式アカウントからの発言に対してまるで友達の様にリプライをしてくる人が多いですよね」
比べて、海外の公式アカウントに対する同等内容へのリプライは少ないように見られた。
意外にも相手はその内容に同調をしてくれたので、そこから雑談が始まる。

自分にとって俳優はテレビの中の存在であり、思いを伝える手段もファンレターと考えていた世代から見ると、Twitterの発言に対し友達感覚でリプライをする人とは大分感覚が違う。

次に出たのは「友達」という感覚についての違いだった。
相手からすればTwitter経由だろうが、ネットで知り合った相手と一度でもリアルで会えばそれはリアルの知り合いで間違いが無いはずなのに、リアルはリアル、フォロワーはフォロワーと分けている感覚が理解出来ないと言う。
自分もそれには同意見だった。

他にも様々な話をしたが、不思議な事にほぼ考えは一致をしてきた。
聞いてはいけない事かと思ったが、この場でならば問題無いだろうと思い、相手の年齢を伺う事にした。実際に顔も見た事がない相手だと凡その年齢も予測し辛い。
相手の年齢、西暦から自分と同い年、同学年である事が分かった。誕生日は自分の方が早いので厳密には一歳差となるが、同学年という意味では間違いが無かった。
聞いていた音楽も、物の捉え方も、妙に似通っているかと思えば殆ど同じ時間を歩んできていたので感覚が似ているのは当然の事だったのだ。

これも縁なので、今度カラオケにでも行こうと相手を誘った。相手もそれに乗ってくれたが、お互いのリアルでの都合はつけ辛く、まずはzoomでリモート飲み会(カメラON)でしようとする話になった。
自分達二人以外にも、三名声をかける事にした。
内二人は相手が声を掛けてくれる。一人はそこで初めて知ったが一歳年下で、もう一人は「少しだけ年上」らしい。何となくそれは察していた。
自分のほうももう一人同学年となる相手を知っていたので、その人物に声を掛けてみる事にした。

結果、五人全員が参加可能という事になった。
自分が声を掛けた一人以外、自分を含めた四人が相当キャラの濃い人間ばかりなので、当日がどうなるか楽しみで仕方がない。