アツ、18歳。〜part1〜

【stack】書庫。図書館の書架。

高校3年の時、僕は図書委員だった。

3年の時の担任が図書委員会の担当だったので、クラスから男女1人ずつ委員を出すことになった。

昼休みが半分ツブされるので敬遠される係だが、僕は本が好きだし仕事が楽なので通年で委員になってもいいと立候補した。

カウンターデスクにお菓子を隠して食ったり、雑誌に漫画を挟んで見たりもしていた。

2学期、女子の図書委員が地味なメガネっ子から僕の好きなアイちゃんに替わった。

うおぉ昼休みだけとはいえアイちゃんの隣にいられるゥひゃっほうィ!!\(*≧∀≦*)/

その瞬間僕のソウルはイスから飛び上がり歓喜した。

僕好みの丸顔&ちょっとつり目で、素晴らしい2つの牌×牌をお持ちのアイちゃん。

最年少Mリーガーおかぴーは役満ボディでお馴染みだが、僕にとってアイちゃんは天和・九蓮のW役満だった。

ちょっとムッチリした腰周りとフトモモはマツモッティも納得のベストバランス。

僕は図書室で卓上のスナイパーになる決心をした。

昼休み、ハッピーチェリーボーイ・アツは『図書室は騒いではいけない』というルールにかこつけてギリギリまでアイちゃんに接近し、声の震えがバレないコソコソ話で図書委員の仕事を教えた。

「ん、どこどこ?」と、少し日に焼けたベビーフェイスを近づけ、天使のウィスパーヴォイスで「あ、そっか♪」と応えるアイちゃん。

くふぉおぉ髪がいい匂いするぅウ!( ;´Д`)ハァハァ

もう図書室はエデンの園。

様子を見に来た担任はメシアに見えた。

翌日から僕は、食後に息がクサくないように人が来ない離れの棟のトイレ(図書室に近い)で歯磨きをし、カウンターデスクに隠すお菓子をミントのタブレットガムに替えた。

隠して読んでいた浦安鉄筋家族と稲中卓球部とJOJOを持ち帰り、かわりにワンピースを全巻持ってきた。
アイちゃんがチョッパーのキーホルダーを持っていたので、きっと好きだろうという我ながら鋭い読みだ。

あとは表紙のモデルの名前さえ知らないオサレなメンズファッション誌をさりげなくカウンターデスクの隅へ配置、完璧な布陣だ。

昼メシを最速最強の箸使いでカキ込み、アイちゃんより早く図書室へ出動し、貸し出しカウンターの2つのイスの間隔を10センチ縮める。

あとはとにかくトークが鍵だ。

アイちゃんに彼氏がいないのはリサーチ済みとは言え僕の下心丸出しのモロヒリーチには引っかかってくれないだろう、シャンテン数もわからない相手はノータイムでベタ降りの恐れすらある。

2学期前半は何気ない会話での迷彩作りに費やし、徐々に距離感も縮めていった。

そしていよいよアイちゃんにテンパイ気配を感じはじめたある日、ピンチが訪れた(;゚Д゚)

今んとこ麻雀は全然出ないけどpart2へ続く!

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