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【短編小説】うちの子

動物を飼ってる人ってさ、自らのペットを『うちの子』って言うじゃん?あれってすごくいいよね。

愛玩ではなくもう家族の一員なんだよ、彼らにとっては。けれど動物を飼ったことのない人からしてみれば、ペットはペット。そんな呼び方をする意味が理解出来ない人もいると思う。
責めはしていないよ?僕も昔は理解が出来ない者達の枠の中にいたのだから。

だからこそ、僕は理解しようと善処した。

そうして僕はやっとその境地に辿り着けたんだ。
紹介するよ。この度『うちの子』になってくれた、リユくんだ。

どうしたんだい?そんなに驚いて。
人間にしか見えない、だって?まぁそうだろうね、彼は人間だから。
彼といると、とても心が安らぐんだ。それだけでなく、リユくんは研究者の僕が行うどんな過酷な実験でも被検体になってくれてね。27回目くらいの実験で精神は融けてしまったけれど、それでもまだ役には立っているよ。

おっと、いけないいけない。そろそろリユくんのご飯の時間だ。
もし機があれば、キミも『うちの子』を作ってみるといい。大袈裟な話ではなく、人生観が大きく変わるよ。

じゃあ、行こうか。リユくん。

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