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【短編小説】復讐

憎い。

憎い憎い憎い憎い憎い憎い…!

いつもいじめてきたアイツも周りで嘲笑う奴らもそんな状況を見て見ぬ振りし続けている教師の男も、あの空間の何もかもが憎かった。

だからぼくは、奴らの中の一人をそそのかしてあの狂った空間を、アイツら毎吹き飛ばすように仕向けた。

後悔?そんなものあるかよ。

動機は今、あなたが聞いた通りだよ。ぼくはただ憎かった。それだけだ。

それに元々あなたの子供が悪いんだよ?ぼくの話を聞いただろう?
まぁ、あなたに自身の子がいじめの主犯格だったって理解出来る頭があったら…の話になってくるけれど。

あ、もうきたんだ。意外と早かったなぁ。

そうだよ、この音はパトカーのサイレン。あなたの訪問に合わせてぼくが警察を呼んだんだ。

ご心配どーも。
でも大丈夫、捕まるのはあなたの方だから。

ぼくが今話したことに対して何一つ証拠はない。
一方であなたの方はどう?

自分の亡くなった子供の『事故』のたった一人の生き残りである被害者に、あなたは全ての責任を転嫁して殺そうとやってきた。ご丁寧にここの包丁を持ち出して。

今更手離しても無駄だと思うけれど。指紋を調べられてしまえば一発アウトだよ?

やっと気付いた?
自分が罠にはめられたってことに。

鈍すぎるっての。ラブコメのご都合主人公じゃないんだから。
流石に笑い堪えるの大変だったよ?

聞こえる?お巡りさんが階段を上がってこの部屋にやってくるよ?もう観念した方が…。

あーあ、飛び降りちゃった。ここ九階なんだけどなぁ…。


あ!警察の方ですか?!
そうです、いきなり襲いかかられて…でもぼくが通報したと知るなりあのベランダから飛び降りてしまって…。
どうしてこんなことに…っ!

よし、予行演習はこんなものでいいだろう。あとは頃合いを見て叫び声を上げれば完璧…っと。

どいつもこいつもあっさり死にやがって。
ぼくの受けた苦しみの代償を、そんな一瞬で完済出来ると思うなよ。


お前らの縁者全員、ぼくが過ごした以上の地獄に叩き落としてやるからな。

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