スライド17

野球未経験を都合よく利用して子どもを上達させる方法

僕は鬼

野球選手の保護者宛にメルマガを執筆する僕は、「褒めて伸ばそう」とか「楽しく練習しよう」とか、清々しい言葉を並べる。でもね、それは表の顔で、本当は鬼。

僕には7歳の息子がいる。彼はサッカー教室に通って1年半になるけれど、はっきり言って、どんくさい。親のひいき目で見ても、センスのセの字も見当たらない。

みんなドリブルでスイスイ進むのだけど、息子はモタモタ。なかなか前に進まない。週末、河川敷で練習をする。ところが、これがいけない。僕は、かの政治家にならって声を荒げる。「違うだろ~!」と。

息子、練習やめるってよ

ある日のこと。息子を練習に誘うと、彼は僕にこう言った。「行かない。怒られるから行かない」と。手が震えた。「彼がサッカーを嫌いになったらどうしよう」。「彼からサッカーを奪ってしまうかも」。猛省。で、僕は決めた。「怒るのをやめる」と。で、息子に謝罪。練習再開。

なぜ親は子の上達に冷静でいられないのか?

でもね、人はそう簡単に変われない。「何やってんだ!」と、のどまで出かかる言葉をのみ込みすぎて食傷気味。あと少しで吐き散らかす。そう思った僕は考えた。「なぜ冷静でいられないか?」を。で、たどりついた答えがこれだ。

支配するのは「不安」

僕は野球の経験がある。野球の上達プロセスは知っている。だから「小1だとこのレベルでOK」とか「失敗して覚える」とか、そんな感じで息子を見守ることができる。野球を教えるとき僕は仏様だ。

でも、サッカーは違う。僕は未経験。どうやって上達していくのか?そのプロセスを知らない。暗闇で手探り状態。だから不安なんだ。失敗は放置しておけない。だから鬼になるのだ。だったら…

未経験の親がやることは一つ

上達のプロセスを知ることだ。息子を上達させるのではなく、僕自身が上達を目指す。テクニック、ノウハウを学んでだ。もともと教えるほどのノウハウなどないけれど、教えるのをやめる。代わりに僕が上達するために学ぶことにした。

そう簡単にいかないけれど…

やってみると難しい。最初からできるわけではない。息子のできない気持ちが少しわかるようになった。でも練習するとリフティング20回できるようになった。そして失敗も含めて、上達するプロセスを息子にシェアするようにした。指導者ではなく、先輩みたいな感じ。

大きな声を出すこともなくなった。僕自身が上手くできないんだから大きな声が出ない。僕の姿を見て息子に変化が表れた。上達しない僕を見かねたのか、サッカースクールで僕ができないテクニックのやり方を聞いてきて、僕に教えるようになった。

息子がどの立ち位置で話しているかはわからないけれど、インプットとアウトプットをすることで息子がモノにしてくれればいい、そう思う。

発明王エジソンはこう言う

「僕は今まで一度も失敗をしたことがない。僕は2万回も、電球が光らないという発見をしたのだ」

僕と息子が失敗すれば2倍の発見だ。理論上、倍速で成功に近づけるわけだ。指導の目的は、上達させることだよね?だから別に教える必要ってないわけだ。上達さえしてくれればね。

親の経験と子どもの上達は別物だよね。プロ野球選手の親がプロ野球選手でもないし。子どもを上達させなきゃいけない、ではなくて、「自分が上達してみるくらいでちょうどいい。未経験は未経験のやり方があるんだ。

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