2023年12月定例会での意見書・決議案についての討論


討論する水谷

日本共産党の水谷修です。議員団を代表し、3意見書案に反対し、18 意見書案及び1決議案に賛成する討論を行 います。

まず、日本共産党提案の意見書案についてです。「パレスチナ・ガザ地区での平和実現のために役割を発揮するこ とを求める意見書」案、「米軍と自衛隊のオスプレイ配備撤回及び日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書」案 についてです。パレスチナに平和を取り戻すことは世界の人々の願いであるにもかかわらず、日本政府がアメリカ の軍事ブロックに与する中で、イスラエルの無法な大量殺戮にキッパリとした態度を示せない姿勢は問題です。ま た、日米同盟のもと危険なオスプレイ配備を拒否できない政府の対応は大問題です。ご賛同を求めます。

「核兵器禁止条約の早期批准を求める意見書」案についてです。先月末から5日間開催された核兵器禁止条約第 2回締約国会議には 59 の国と地域のほかに、35 か国がオブザーバー参加し、アメリカの核の傘のもとにあるドイ ツやベルギーなどもオブザーバーとして議論に加わりましたが、日本政府は参加しませんでした。日本からも被爆 者の方々や多くの若者も参加しました。同会議に参加した広島県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長は、日本 政府が参加しなかったことに対し、「怒りや悔しさ、歯がゆさなどを感じる」と述べ「私たちにできるのは、条約へ の署名・批准を求める署名活動をして、政府に声を送り込むこと。米国の核の傘の下にいる国でもオブザーバー参 加している。重い腰を上げてほしい」と訴えられました。核兵器禁止条約の早期批准が世界の人々の声であり、被 爆国日本の当然の取るべき姿勢です。賛同を求めます。

「物価高騰に見合う年金支給を求める意見書」案、および「診療報酬・介護報酬等の削減方針の見直し及び職員 の処遇改善を求める意見書」案についてです。370 名の方々が年金支給改善を求める請願書を提出されました。物 価高騰の中、6月の年金支給額も実質減額となり、11 年間で 7.37%も減額しているもとで、年金の増額を切実に求 めておられます。5回連続の診療報酬マイナス改定や介護報酬が1%台の改定など、到底見過ごすことはできませ ん。社会保障の連続改悪を許さず、社会保障の充実を求める国民の声に応え、この2意見書案への賛同を求めます。

「エアコン・トイレ等の学校施設・設備の改善を求める決議」案、「30 人以下学級実現と教員の増員を求める意 見書」案、「全員制中学校給食実現と給食費無償化を求める意見書」案の3意見書案についてです。「子どもと教育・ 文化を守る京都府民会議」が 12,590 人の署名を添えて今議会に請願されました。すべての子どもが安心して学べる 学校づくりと教育条件の整備が急務です。学校の体育館や特別教室へのエアコン設置やトイレ洋式化は直ちに行う べきものであり、教員を増やして 30 人以下学級を実現することが子ども達に寄り添う教育実現の要です。中学校 給食や給食無償化に国が責任を持つことこそ今必要です。是非、ご賛同を求めます。

「大阪・関西万博の中止を求める意見書」案、「北陸新幹線敦賀〜新大阪間の延伸中止を求める意見書」案につい てです。会場建設費が当初の 1.9 倍に膨れ上がった大阪・関西万博の工事は遅れに遅れています。同じ夢洲での、 カジノ・統合型リゾート整備について、大阪府が本年9月実施協定を事業者と締結しました。「万博がカジノ推進の ためのもの」であることが明確になってきたのであります。北陸新幹線延伸は、トンネル残土の量が 1000 万m³とい う膨大な量になることが明らかになり、かつヒ素など重金属の含有が懸念されていますが、事業認可もされてない のに京都府と鉄道運輸機構が、トンネル残土・発生土受け入れの協議を始めました。また住民や関係自治体も知ら ない間に、京都府と鉄道運輸機構が、河川や道路等との交差について協議を始めています。来年度当初も事業認可 が見通せず、完全に行き詰まっていますが、11 月 30 日の建設促進大会において鈴木副知事が「できる限り協力を していきたい」と推進姿勢を表明し、西田自民党京都府連会長が国民負担による「新しいルール」づくりを求めま した。まさに見通しも立たず完全に行き詰まっているのに無理やり建設しようとしています。万博と北陸新幹線延 伸はキッパリ中止すべきです。

「営農継続のための農家への支援を求める意見書」案についてです。アメリカ言いなりで強行した農作物輸入完 全自由化と食糧安保を投げ捨てた農政に加え、昨今の円安・物価高、米価下落のもとで日本農業が存続の危機に陥 っています。営農継続のための農家への緊急支援がどうしても必要です。

「政治資金問題の真相究明並びに企業・団体によるパーティー券購入及び政治献金の全面禁止を求める意見書」 案についてです。19 日東京地検特捜部が安倍派、二階派の事務所を強制捜査に入りました。党全体が組織ぐるみで 裏金作りをしていたという戦後最悪の金権腐敗事件です。真相解明とともに企業・団体によるパーティー券購入や 政治献金の全面禁止こそが金権政治を終わらせる何よりの方法であります。ご賛同されますよう求めます。

日本共産党の意見書案への対案として、自民、公明、府民の3会派が提案した「政治資金規正法に基づく制度の 厳格化や透明化等に向けた議論を求める意見書」案についてです。同意見書案は、政治資金規正法に基づく厳格化 や透明化の議論をするだけのもので、同法をそのまま温存してこれからも金権政治を続けようとするものです。12 月 20 日付け産経新聞の「視点」も「規制法はそもそも穴だらけの法律だ。収支報告書に書きさえすれば、さまざま な制限があっても基本的に何に使っても許される」と批判しています。また同日の京都新聞の社説は「『抜け道』と なる企業・団体献金を防ぐ政治資金規正法改正」を求めています。つまり金権政治の一掃のためには企業・団体献 金を全面禁止が必須であるにもかかわらず、これに背を向けた意見書案であり反対です。

国民民主党・日本維新の会府議団提案の「企業・団体献金の全面禁止を含めた政治資金規正法の改正を求める意 見書」案は、政党・政党支部への企業団体献金禁止を求めているもので賛成ですが、今、一大焦点になっている企 業・団体のパーティー券購入について全く触れておらず問題です。

自民、公明、府民の3会派提案の「食品ロス削減への国民運動のさらなる推進を求める意見書」案についてです。 食品メーカーなど食品関連事業者の大量生産段階でのロスの削減とその責任が重要ですが、本意見書は、食品ロス の削減の取り組みを国民の責任で推進しようとするものです。しかし、食品ロスを削減しようという趣旨は大切で すから賛成です。

国民民主党・日本維新の会府議団提案の3意見書案についてです。「再審法改正を求める意見書」案については、 冤罪被害者を速やかに救済できるように弁護士会や冤罪被害者等が強く求めておられる「証拠開示の制度化」と「検 察官抗告の禁止」を内容とする再審法改正が急務であり賛成です。

「人事院の給与勧告に関する課題への早期対応を求める意見書」案についてです。公務労働者の労働基本権の回 復こそが求められています。また「多様な働き方」と連動させて労働者に低賃金と劣悪な労働条件を押し付けよう とする内容の意見書案であり反対です。

最後に、「緊急事態条項創設の議論の促進を求める意見書」案についてです。これは「戦争できる国」づくりと一 体に憲法そのものを改定し、緊急事態条項の創設を狙うものであり反対です。

以上で討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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