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7月26日、京都府議会での予算反対討論

京都府知事選挙が4月にあったため、当初予算は必要最低限のもので、選挙後の6月府議会に、政策的なものを追加する「肉付け予算」が提案されていました。6月議会の最終日に、その予算などへの反対討論を水谷が行いました。

以下、その討論原稿です(実際は口調などが少し変わっています)

日本共産党の水谷修です。
議長のお許しを得て一言申し上げます。コロナ感染によりお亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表するとともに、療養中の皆様の1日も早いご回復を祈念申し上げます。また、感染急拡大の下、逼迫した最前線で闘っておられる医療をはじめとしたエッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝申し上げます。

議案第2号「令和4年度京都府一般会計補正予算(第5号)」に反対し、各常任委員会に付託されていた9議案に賛成する討論を、議員団を代表して行います。
常任委員会に付託されていた9議案はいずれも必要な改正などであり賛成するものです。

一般会計補正予算(第5号)についてです。
第一の反対理由は、第6波で高齢感染者などが入院できず施設留置や自宅療養が余儀なくされ救える命が救えなかった痛苦の教訓を踏まえず、過去最高のコロナ感染急拡大の状況下でも、高齢者の施設留置を放置し、保健所設置をもとに戻し、人員体制を強化することをしていないからです。
昨日の知事の緊急記者会見では、国方針そのままの「医療機関における検査キット配布」などにとどまっており、国方針以外の具体的対策は見当たりませんでした。
また、知事は、病床使用率について「じわじわ上昇しており」「警戒感を持って注視する」と述べられました。知事のいう病床使用率は、運用していない臨時的医療施設の110床なども加えた率になっています。
一方、「重症患者受入医療機関」13病院長と医師会長が連名で昨日、新型コロナ第7波による医療逼迫についてのお願いを発出されました。感染者数が過去最高を日々更新しており、医療従事者や家族が休務を余儀なくされており、通常医療に多大な影響を及ぼしており、また救急搬送困難例が急増しているなど「医療が現在、危機的状況にある」と訴えておられます。知事の認識は実際と違います。
今、高齢感染者の施設留置が急増していますが、高齢者施設への往診チームの発足は、医療機関が発熱外来の対応に追われ、早くて8月中になる見込みで、しかも臨時的医療施設は未だ運用していません。これでは救える命が救えないことになってしまいます。高齢感染者の入院を保障する施設整備・体制強化を急ぐべきで、110床の臨時的医療施設を直ちに運用するよう求めるものです。長期のコロナ対応に加え電気代などの急騰で逼迫している医療機関の経営を直接支援する対策は急いで行うべきです。
また、感染防止、行動の在り方、検査など具体的な対応策を速やか講じるべきです。さらに保健所をもとの配置に戻し、保健師の大幅増員など体制強化を急ぐべきです。

第2の理由は、物価高騰で暮らしと経営が急速に深刻化しており、府民と事業者への直接支援などの緊急・追加の対策が急務であるにもかかわらず、できていないことです。賃上げで雇用と景気回復を進めるべきですが、具体策はありません。家賃や水光熱費、リース代など、固定費への支援など事業者が事業継続できる対策を緊急に実施するとともに、コロナ関連融資の返済が始まることから、個別企業への丁寧な相談や返済への支援策を講じることを求めます。
また米価下落、肥料・飼料、燃料・資材などの高騰で深刻な危機に直面している農業者、漁業者への直接支援が急務です。
本日6月定例議会が閉会しますが、知事におかれては、緊急を要するコロナ感染症対策や物価高騰対策について補正予算編成を含め、急ぎ取り組まれることを求めるものです。

第3の理由は、「子育て環境日本一」と言っていますが、合計特殊出生率は下がり続けています。こども医療費無料化の拡充や中学校給食実施・給食費無償化などの子育て応援対策は具体化すらされておらず、子育て環境は後退の一途だからです。
子ども医療費助成の拡充について福祉医療の全体見直しの中で行うとしていますが、他の医療費助成制度の後退との抱き合わせは決っしてしないよう求めておきます。

第4の理由は、大型開発を優先し、公務と公有財産を企業利益のために民間開放を推進していることです。知事選挙の大争点だった北山エリア開発と北陸新幹線延伸について知事は選挙期間中ほとんど言明されませんでした。ところが、選挙直後、大学に不要な1万人アリーナ建設や、植物園には不要の賑わい・誘客施設建設を、府幹部職員大量投入によって、強引に推進しています。国のアリーナ構想、東京資本が描いた計画によって、大学と植物園を企業の儲け口にしてしまおうとしている事であり白紙撤回を求めます。
 水道は、北・中部で市町の多くの浄水場を廃止、統合し、経営統合する案を京都府が示し、住民や各議会も知らない間に、広域化推進プランを年度中に決定しようとしています。また、府営水道と受水市町の施設廃止と企業団化を目指す府営水道ビジョンを今年度中に決定しようとしています。これらは、企業の儲け口になる大規模施設部分を事業統合・経営統合し圏域ごとの広域化を推め、民営化に道をつけるものです。
また消防弱体化につながる消防広域化・消防指令センター共同運用を強引に進めています。北部指令センターを24年度共同運用開始しようとしており、京都市以南の指令センターは京都市主導で議会や住民に情報も示さず、とにかく共同運用は決めようとしていますが強行すべきではありません。
 「京都府北部地域連携都市圏ビジョン」は、水道と消防広域化などを軸に「圏域行政」化を目指そうとしていますが、医療や産業などへの支援強化で行政水準向上こそ必要です。また、北部医療圏の医師不足・偏在の解決へ京都府が役割を果たすべきです。
北陸新幹線延伸が無駄で環境破壊であることが明らかで、また、駅設置の京都市や京田辺市などがいかほどの財政負担になるのかも示さず、着工を進めようとしていますが中止すべきです。
学研都市の更なる開発は、医療データを住民同意なしに企業に提供し進める開発、産学一体で進めるフードテック開発、さらに大阪万博のサテライト会場を理由にしてとにかく推進しようとしていますが、これらは大手企業所有地などを活用した開発であり、住民置き去りの企業利益優先のものであり、一旦立ち止まって再検討すべきです。

第5の理由は、京都府をまるで国の出先機関であるかのように変え、国方針を忠実に実行しようとしていることです。避難方法も確保できない危険で原子力発電所について老朽原発を含めて再稼働を推進しようとしていますが、再稼働中止・廃炉を求めるべきです。憲法を守る姿勢も示そうともしていません。物価を下げる特効薬である消費税減税について知事は「社会保障財源」だと減税要求を拒否し、インボイス制度は「制度の円滑な導入に向けて周知・広報をおこなうことを求める」と積極推進の姿勢を示し、府民や事業者の願いに背を向け続けています。
よって、反対するものです。

ご清聴ありがとうございました。

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