ダイエットのきっかけ(その壱)中

前回のあらすじ

推しのイベント会場へ足を運んだめいめい。なんとサイン色紙が手渡しでもらえることに!...

刹那で渦巻く感情

推しから手渡しでサイン色紙をもらえる…!
なんたる僥倖…!
と思ったのもつかの間、
とてつもない恐怖が襲ってきた
『あの壇上にのぼるってことは、衆目に晒される...しかもインターネット中継もある...どうしようどうしよう』
居留守を使うか迷った...
しかし物欲が勝ってしまった
私は巨体を揺らして立ち上がる
一瞬のうちに好奇の目に晒される

壇上へ

転ばないように細心の注意を払って壇上へ。
推しが驚いた顔でこちらを見ている
『そうだよね...こんな巨体がきたらびびるよね...』
本当は握手とかしたかった。
でもその場にいるのが怖かった。
私は一礼してサイン色紙を受けとると足早に壇を降りた
推しはテレビでみるより華奢でかわいらしかった

人だかりと逃走

座席に戻ると早速両隣の女性から声をかけられる
「すみません、サイン色紙写真撮らせてもらえませんか?」
彼女たちはすごくスタイルもよくキレイだった
20代だろうか。

『私なんかじゃなく、彼女たちのような子が当選すれば絵になったのに』
と心底思った

撮影に応じると他の人も次々と近づいてくる
よくみるとテレビカメラもある
『これはやばい、こんな姿でインタビューなんか受けられない』
私は色紙をコートで包み、ダッシュした

会場を後に

人混みを掻き分け、
閉まりかけのエレベーターに滑り込む
慣れない走りに息が苦しい
一階まで永遠に長く感じた
エレベーターを降りて私はなにも考えず手を挙げる
『なんとかしてこの色紙を守り抜かないと』
一台の黒いタクシーが止まった

安堵の中で目にしたもの

「(自宅の住所)へお願いします」
そう運転手に伝えてから座席に沈み込む

そして見なきゃいいのに...スマホを取り出し、SNSと某掲示板を開く
今日のイベントがどのようにみんな感じていたのか知りたかった
...そこで...みたものとは...
(続く)

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