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イクメンのぼやき

20歳くらい年下の同僚が、1ヶ月の育休を取り、職場復帰した。

子どもは二人目とのことだが、いままで経験したことがないくらい家族と1ヶ月の濃密な時間を過ごした結果、

夫婦仲が滅茶苦茶悪くなった

のだそうだ。何かいいアドバイスなないですが、とオンライン会議の冒頭で発言していたが、とっさには出ない。そもそも結婚していない人、したくても縁の無い人、結婚していても子どもが欲しくない人、欲しくても恵まれない人など、事情は人それぞれなので、うかつなことは言えないと考えてしまうが、何も気にせず発言出来る人のほうが、何だかんだ行って王道を歩いて行くのかも知れない。

沈黙が続く中、遅れて上司が参加してきたので、その話題はそこで途切れた。沈黙のあとで

悪いのは相手だと思う

とも、言っていたのが聞こえて来た。オンライン会議の冒頭はアイスブレイクにしようという運動が始まっていたはずが、早速フリージングタイムに化けていた。思わず苦笑

家族にその話をしたところ、女性陣(妻と次女)から、もの凄い反応。曰く

  • 産後の母親は精神的に不安定で、産後鬱になることも珍しくない

  • 授乳があって連続して寝られないから身体も限界

  • 出産における母体への負荷は、全治2週間くらいの交通事故に遭ったのと同等と言われる

  • 同年代の女性と悩み相談したくても、相手も忙しく孤独だし、そもそも出産経験していない友達とは話題に出来ない

等々、怒涛のように意見が出て来た。

育児は男性からすれば、ただでさえ多忙な中、仕事をなんとかやりくりして時間を確保し、妻の為に協力している、という意識なのだが(私だったら、言わなくても腹の底ではそう思ってしまうはず)、さらなる矢が飛んできた。

  • そもそも「協力している」という意識自体が傍観者で、前提として間違っている

  • 育児はエンドレスで切れ目もなく、一時も目を離せないので、自分の時間も持てないのに、夫どころではない

  • このタイミングで妻の怒りを買うと、一生恨まれ、熟年離婚まっしぐら。よく聞く話

まあ何度も聞かされている内容ではあるが、これをそのまま同僚に伝えていいのやら…。瞬時に判断して、仕事への人生捧げ率120%以上の上司が来る前にうまくまとめて話し切るのは無理ゲー。このゲーム、さっさと降りました。

因みに、私の場合は、長男(3人目)が産まれた時が、育児休業制度が出来たタイミングだったのだが、育休取得について相談すると、人事部の窓口の女性からは、なぜ通常の有休休暇にしないのかと怒られた。勤務日数が減ってボーナスも減るのに何考えているんですと警告された。上司からは「こういう制度というものは、会社がイメージアップの為に作ったもので、実績作りの為に上から求められたら取得するもので、自らの意志でとるものじゃない」と忠告された。兼務先の人事部の上司(有給取得どころか休日出勤が当たり前)からは、忠告以前に、本当に取る気なのか、と白い目を向けられるしで、酷いものだった。

その頃の状況を思うと、時代は変ったと実感するが、育休を取る当人にとって本当に良いことなのかどうかは、いまだよく飲み込めっていない。

私は、いろいろな人のアドバイスを元に、育休取得は諦め、そもそも消化していない有給休暇を取得した。妻が1週間の出張で家を空けるタイミングで、自称「育休だ」と称して1週間の有給休暇を連続で取り、ゼロ歳児と孤立奮闘した。母乳度ではなく粉ミルクだから可能だった。2人の娘たちは実家のお世話になっていたはずだが、記憶は定かではない。ただ、わずか1週間で5kgも痩せ、二重顎が解消した。復帰するとダイエット育休だねと言われた。お酒も飲まず、レンチンご飯と体内脂肪を燃やすことで生き延びた感がある。まだ、若かったので、妻の仕事の最終日に、出張先まで移動して旅行する予定まで組んでいたが、子どもが突発性の39°の熱を出し断念。

個人的な結論を言うと、一緒に育児をするのではなく、パートナーが一瞬でも社会復帰できるようにするのが、最大の「協力」のような気がしてならない。

まあ、妻が職業柄フリーランスだったからこそ成り立ったのかも知れないが…