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「これがウチです」

『鬼強ギャルマインド』という書籍の構成を担当することになり、著者の赤荻瞳さんに取材をしていたときのこと。
「もしも、上司とのジェネレーションギャップや価値観の違いで嫌な想いをしたら、どう対処しますか?」と質問すると、こんな答えが返ってきた。

うーん、ウチは逆にギャル全開でいくかもしんないですね。全力で「これがウチです」「ギャルってこうなんです!」みたいなのをアピる(笑)。そしたら向こうも「こんだけ違うんならしょうがないかなー」って諦めてくれると思う。

目ウロコだった。他にも、赤荻さんのあっけらかんとした考えにびっくりしたり、パワフルさに圧倒されたり、思慮深さに関心したり、いろんな場面があったけど、これがいちばん私にどストライクで。強く納得したし、いまでもすごく心に残っている。


わたしは自分の話をするのが得意ではない。なのでたいていは相手の話を聞くことになるのだけど、そこで「価値観がちがいすぎる……」「わたしの感覚って変なのかも……」と勝手にダメージを受けることが多い。そして、「この人とは合わないな」とちょっとずつ線を引いてしまう。
でも、赤荻さんの言うように、まずは「これがウチです」を差し出さないと。材料を提供せずに自分を分かってもらうなんて不可能だよな、それで早々に他人を諦めるのはもったいない態度だったな、と思った。

どうせみんな別の人間なんだから、価値観が違うのは大前提。「これがウチ」「ウチはこう」と言い合ったうえで、「そっかー」と受け入れ合えたら、良い関係がつくれるんだと思う。もちろん違いすぎて無理なら無理で、「合わないっすねー」とお互い納得して離れるのもありだと思う。


……とはいっても、自分の話をするのはやっぱり苦手。
だから、わたしはnoteを書くことにした。
パッと上手く話せないけど、ゆっくり考えて書くなら、なんとかなるかもしれない。そう思ったから、ここでは自分の話をしようと決めて、書きはじめた。


自己開示をすることによって、相手がどう思うかとか、関係性がどう変化するかは分からない。結局のところ賭けだし相性があると思う。
でも、「これがウチです」の場所があるのは、自分が立ち戻ってくる場所があるってことで、とても心強い。それに、ここに書いたことがきっかけになって、いつかバイブスが合う人に出会えるかもしれないし。

人間関係、「これがウチです」をくり返していくしかないんだな、と思っている。

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最近、書くことないなーこれでいいのかなーと悩むことばかりなので、書きはじめたときのことを思い出してみました。
(もちろん「書いたら?」と何度か言われたこともきっかけではありますが……)

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