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感想 / フィッシュマンズ:LONG SEASON

昔、小学生とかその時、夕方家の部屋の電気を真っ暗に消して外からの光だけで何もせず時間がたつのを過ごしていた時間があったような気がする。
その時私はとてつもなく虚無とも、虚空とも、言える時間の中ただ日が落ちていく窓からの景色を感じているのだった。
おそらく、ある種の人間には私と同じような体験というか、そんな感情的なものを感じた事があるのではないだろうかと思ってしまう。

さて、私は今日フィッシュマンズのLONG SEASONを聞いた。
元々私は最近になってフィッシュマンズの存在を知ったたち(Youtubeのおすすめで表示されたのがLONG SEASONだった)なのだが。
LONG SEASONはフィッシュマンズの作品群の中でも一曲35分に及ぶ大作的な作品である。それゆえ展開はおよそ5部構成的になるのだが全く退屈を感じさせてくれない。
延々と続く浮遊感のあるシーケンスフレーズ。落ち着いているようで落ち着きがないように見えるコード進行。佐藤伸治の儚いように聞こえる歌。すべてが相互作用を齎し、高い完成度を見せているように見える。
すべてがなければLONG SEASONではなかっただろう。そんな風にも思えてしまった。

それにしても聞いていると思い出させる夕暮れ時の河原とか、道路とか、そんな世界を当てもなく彷徨っているような感覚ってなんだろうなぁ。

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