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マタニティマークの意味

朝の通勤ラッシュ、雨の日の満員電車。
湿気で曇った窓に目線を合わせていたのに、いつのまにか焦点が合わなくなる。

私は、妊娠7ヶ月の大きく目立つお腹とマタニティマークをぶら下げて、優先座席の前に立っていた。

目の前の人たちは、みんな下を向いてスマホに夢中。こちらの存在には気づいていないようだ。
眠っているサラリーマンもいた。

みんな座りたい。みんなしんどい。
雨の朝から満員電車なんて、みんな嫌に決まってる。

でも、優先座席に座るからには、
周りに目を向けてほしい。
自分より座るべき人がいないか?
お年寄りや、どこか痛そうな人、気分が悪そうな人、妊娠している人、赤ちゃんを抱っこしている人、見た目はわからなくてもマタニティマークやヘルプマークをつけている人。

優先座席は、座れないと困る人たちのためにある。
空いていたら座ってもいいと思うけど、
自分より困っている人が乗車してくるかしっかり見て譲れる人がもう少し増えてほしいと思う。

人の体調は見た目ではわからないから、今日私の前に座っていた人たちも実は体調が悪くて譲る余裕がなかったのかもしれない。

でも、誰かの少しの気配りで、誰かが救われる。
もし断られたとしても「ここどうぞ」と声をかけてもらえるだけで、優しい人に会えてよかった。と私なら思う。
(実際そんな方たちに娘を連れているとき何度も出会い助けられました。)



電車から出て駅のホーム。ようやく椅子にありつけた。息を整え、張ってしまったお腹をさすりながら私は思った。

少し先の未来には、今より少しだけ優しい世界であってほしい。
そして私自身が率先してこの思いを持ち続けたい。
そんな気持ちでこの文章を書いた。

読んでくださりありがとうございます🍑

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