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みずのモデル商会アバターの設定・資料・ギミック全部語りたい! 第8回

湖羊のメエメル』後編です。
実装されているギミックや全然関係ない話などを話していきます。

ギミックの話

伸びる指と水しぶきパーティクル

指の伸び縮みは全部シェイプキーのみで動いています。それぞれのハンドサインに対応する形を作っておいて、ハンドサインを変えた時にその形に動くようになっています。やっていることは表情変化と同じですね。

ハンドサインに対応した手の形に変化

PhysBoneはそれぞれの指でONOFFを切り替えして、伸びているところだけ有効化します。伸びるところは3か所で左右あるので、ここだけでComponentを6個使っている贅沢仕様。

PhysBoneのONOFF制御

このPhysBoneにはそれぞれParameterで伸び率(_Stretch)を感知していて、一定以上伸びたあと、一定以下に縮むとパーティクルが出るように設定されています。

伸縮とパーティクル制御

パーティクルは二重構造になっています。
パーティクル①は目に見えるものは何もない、スイッチだけの役割です。パーティクル設定のSub Emittersでパーティクル②に繋げて、このパーティクルが出るときに、パーティクル②の水滴が出るようになっています。
加えて、①と②を並列においておくと、①が消えた時に②が消えることはありません。ステートが遷移して①がOFFになっても②の水滴は通常通りの挙動になります。

パーティクルを出す時には一旦OFFにしておかなくてはなりません。一つのパーティクルだけで制御しようとすると、パーティクルが実際に発生している間はONにしておかなければならず、次のパーティクルを出す準備ができないか、準備をした途端に今出ているパーティクルが消えてしまいます。
これを解決するのがパーティクルの二重構造、ONOFFスイッチと実際に挙動するものを分ける方法なのです。

ちなみにこの方法はUnity詳しいロボ娘さんに教えてもらいました。一人では絶対に思いつかない方法だったので、目から鱗が落ちました。ありがとうございます。

ジャンプ力ぅ…ですかねぇ…

こちらは最初からやりたかったちょっとしたギミック。
スライムっぽいジャンプをしたかったので、足元の広がった部分は足のボーンから離して、重力をかけています。接地している地面のPlateコライダーも動かしています。

縁側で飛んでます

できるならもうちょっとジャンプ力を低くしたかったところ。
今の技術ならもうちょっとなんとかなりそうだけど、当時の思い付きの限界でした。
自アバターを意図的にナーフしたいとかけっこう少数派な気がしますが、スライムは弱くあってほしいという設定こだわり派です。

巨大化

これはメエメル固有というわけではないのですが、適応率がかなり高かったので。

VRChatにはアバタースケーリングという機能があります。
元の大きさに関わらず、ビューポイントの高さを最大5mまで巨大化することができます。

こちちら、元の大きさからn倍にするとかではなく、0.1mから5.0mの間で変更できる機能なので、ビューポイントが1.5mのアバターなら、5.0mにすると10/3倍になりますね。

1倍の1.5m。豆粒。
10/3倍の5m。これでも鳥居の半分以下。

……なるほど?

では、アバター自体の大きさを変えずにビューポイントを極端に低い位置に設定したら最大倍率は上がるのでは?(なろう感)

そんなマッドサイエンティスト的な思考から生まれたモンスターがこちらです。

25倍の38m。鳥居の約2倍。

ビューポイント0.2mにして、スケーリングで5.0mにしたので、初期サイズからは25倍。アバター自体の大きさは変わらない1.53mからなので、25倍だと約38mです。
たぶん0.1mにしたらさらに2倍ほどでかくなるぞ。全身写らんくなるわ。

ワールド巡りの話

スライム娘ってどこに棲んでるの? けっこう悩みました。海でもないし森や草原でもないし、やっぱ湖かなぁ。地底湖でも良いね。

遠い水平線 - echoes

Ruins of Water〜水の遺跡~

Crystal Sanctuary

原作者が勝手に言ってるだけの話

タイプはみず。とくせいはちょすい。なみのり・コットンガード・めいそう・じこさいせい。挑発しないでください。スキスワも無理です。

そしてみずタイプしか作ってねえなってのに気付いてしまった時のSS。

御三家

ここに三匹のモン娘がおるじゃろ? 全部みずタイプじゃ。
相性的にはみず・どくの子が一強すぎるな…。

描いた絵

ワールド紹介にある水の遺跡を背景として描きました。

にっこりかわいいね

動画の話

トラッキング3点ですが、足がないのが幸いして綺麗に撮れていますね。

言われないと気付かない見所

0:52 Miss!! 掴めなかった!
1:02 体幹鍛えてない素人なんで……よろっ

スライム娘の話

本来の湖羊というのは、Vket2023Winter龍の背中にも見られるように、動物の羊に似通ったスライムです。それがどうしてスライム娘、人型に似た姿をしているんでしょうか。

自身の水分の蒸発を極力減らすために、スライムたちは表面積の少ない球体、設置面の安定を含めると半球状の姿を取ります。人間の姿かたちは複雑で、スライムにとってあまり効率的とは言えません。その個体が一見非効率的な姿をしているのは、その非効率を覆すほどのメリットがあると考えるべきでしょう。人間の姿が必要になる棲み処は、もちろん野生のはありません。

スライム娘が人間の姿を取るには、かなりの魔力と、体積を増やすための水を必要とします。管理されていない原野でその都合のいい条件を満たす場所は、全くと言っていいほどありません。湖羊でさえも、魔力の含まれる湖でしかその姿を保てない希少種だと言われています。人間の姿を形作れるほどの余剰な魔力と水は、通常の環境では存在しません。

メエメルは人間に近い形をしています。それは人間をよく観察する環境があったということです。人間を見慣れていて、人間に近しい姿であった方が効率がいい環境。視線の高さであったり、操作の細かさであったり、表情変化による意思伝達であったり、逆にスライムでは効率的であった半球状や湖羊の小動物くらいの姿では非効率になる環境に、彼女はいたのでしょう。

「湖羊のメエメル」はネームド個体、名前を付けられた存在です。


では、充分と話したので満足しました。『湖羊のメエメル』回はこのあたりでお開きとしましょう。
次回はこれも大好きゴスロリはフリルが多いほど良いとされる『稀白(まれしろ)前編です。


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