ちがうふたりだから心地いい

画像1 靴紐を結び直して、視線を上げる。行き交う人々の脚が目に入る。聞こえてくるのは、中国語っぽい会話とわずかな英語と、日本語。行動制限が解除になってから、この町には牛串を売る店が増えたのかもしれない。炙った脂の香りが漂っている。「あんまり食べちゃうと、せっかくのお夕飯が食べられなくなっちゃうね」と話しつつ、いろんな店を覗きながら歩いていく。食べたいものを即決するわたしと、迷うあなた。ふたりが即決したのは、ひと口サイズの五平餅。風は冷たくても陽射しはあったかい。焼いたくるみ味噌の香りを全身で味わう午後。

ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!