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ドラゴンズ沖縄春季キャンプ3DAYSレポ #球春到来

 夢のような3日間だった。
 初夏のような陽射しに外野の芝生が青々とかがやいて見える。メイン球場と他の練習施設をむすぶ通路脇にいると、目と鼻の先を選手たちが歩いていく。声をかけると時に会釈で応えてくれたり、練習終わりにはサインに応じてくれることもある。次々に差し出される色紙やユニフォームにサインペンを走らせる選手の腕は驚くほど太いし、胸板は見ただけで跳ね返されそうなほど分厚い。無理やり言語化せずに感じたままを言えば、とにかくデカい。シーズン中、広いバンテリンドームの客席やテレビの画面で見る姿とは明らかに違う。
 秋に身体を限界まで追いこみ、自主トレでさらにビルドアップして2月1日のキャンプインを迎えていると知ってはいるものの、鍛えあげられたプロアスリートの肉体を目の前にすると、思わず言葉をうしなってしまう。


2000本安打まで残り115本とせまった、大島洋平外野手 現在37歳

 

 2023年2月17日から2泊3日で、中日ドラゴンズの春季キャンプへ行ってきました。2月1日から始まったキャンプも、18日には第4クールに突入。練習試合などの実戦が増えてくる時期です。
 球場へは幼い頃からたびたび応援に行っていたけれど、キャンプ地まで足を運ぶのは初めてのこと。今回は、キャンプはライブ配信で見られるけど、実際行ったらどう違ったのか、何がよくて何が残念だったか、服装や旅行代金などについて、写真とともに振り返ります。来年、春季キャンプへ足を運ぼうと思っている方々の参考になればうれしいです。

 


1.春季キャンプ、映像と現地では何がちがう?

1-1.見たい選手・見たい練習を選べる

 キャンプの様子を報道で知るしかなかった昔とは違い、今はいい時代ですよね。公式YoutubeとJSPORTSのライブ配信を見れば、沖縄へ足を運ばなくても練習の様子を見ることができます。わたしもそうしてきました。
 
 実際に足を運んで思ったのは、見たい選手や見たい練習などの目的がはっきりしている人は、現地で見ると より楽しめる!ということです。
 北谷(一軍)と読谷(二軍&ベテラン組)のふたつのキャンプ地の、メイン球場・サブグラウンド・陸上競技場・室内練習場など、さまざまな場所で練習が同時進行しているため、ライブ配信は各練習場に配置されたカメラを切り替えながら配信されています。

 

 でも、現地では自分さえ歩けば見たい練習を目の前で、しかも終了するまで見ていられるのです。自分の興味関心に応じてじっくり楽しめることが、わたしは一番うれしかったです。

 一緒に行った友人ふたりとわたしはドラゴンズの選手みんなを応援していますが、今回、特に「この選手だけは絶対に自分の目で見たい!」と思っていた選手は、こんな感じ。

 キャンプ地の振り分けも、ポジション(これによって、その時々の練習場所も変わります)もバラバラ。だから、練習見学中は別々に行動する場面もたくさんありました。予定になかったことですが、結果としてその動きが今回の満足度の高さにつながりました。

 それでは、どうやって見たい練習を見つければいいのでしょうか?
 北谷では球場の正面入り口ちかくの掲示板に、読谷では三塁側入り口ちかくの受付の机に、その日の練習メニュー表が貼り出されます。球場についたら、スマホでメニューの写真を撮って、確認しながら動くと便利です。

2023.2.18 読谷の練習メニュー表

 表には個々にやっていくメニューが記されているので、どの練習をどこでやっているのかを想像しながら動きました。メイン球場の内野席の最上段へ上がると、近くの練習場所で何をやっているのかを見られます。

 上の動画は読谷のメイン球場の1塁側最上段からぐるっと周囲を見渡した映像です。右手にはブルペン、正面の緑のプレハブ小屋にはトレーニングルームや選手が利用する読谷食堂やロッカー、プレス対応のインタビュースペースがあり、プレハブの向こうには陸上競技場があります。映像のなかで人が集まっている場所は、配信でもたまに映る、選手が即席サイン会をしている通路です。
 この映像には写っていませんが、陸上競技場のさらに左手へ進むとサブグラウンドがあります。

 このなかでプレハブ小屋のあるエリアには立ち入ることができないため、どの場所へ行くにもすこし大回りしながら向かうことになります。読谷にいた1日は後から確認したら、15000歩以上歩いていました。朝から夕方まで楽しむためにも、歩きまわっても痛くない靴は大切です。

 

1-2.選手との距離がちかい

 わたしのようにバンテリンドームナゴヤで一軍の試合を観ている“ホーム民”にとって、シーズン中の選手との物理的な距離はかなり遠いのですが、キャンプ地では自分さえ動けば、とにかく近い距離で練習を見られます。
 選手が練習場間を移動するときはほんの数m先を、歩いたり自転車に乗ったりして移動していきます。選手どうしや選手とスタッフの会話が聞こえることがありますし、選手がバットを持ってママチャリで移動する姿なんて、名古屋ではまず見られない貴重な光景です。

2023シーズンはサードへ返り咲き 打ちまくってほしい 髙橋周平内野手

 その姿は映像でももちろん見られるのですが、目の前で動いている選手の姿を見ることで、印象はより強くなります。映像では明るくよくしゃべるように見える選手が登板前で緊張している様子だったり、スター選手であるにも関わらずひとりひとりの目を見て対応する様子だったり。

 練習メニューが終わりに差しかかる午後遅い時間や夕方になると、時と場合によっては、選手からサインをもらえる場合も・・・あります。一日練習して身体をいじめ抜いたあと、豆のつぶれた手のひらで大勢のファンに応じる選手のみなさんには、本当に頭が下がります。ファンにとってはその瞬間だけのことでも、選手にとってはこの1ヶ月 毎日同じことのくり返しですから、きっと内心うんざりすることもあるでしょう。
 至近距離で練習を見られることに感謝して、呼びかけに応じてもらえたらラッキーくらいの気持ちで行くのが良さそうです。

ベンチ上からはファインダーからはみ出す至近距離 バント練習に余念のない大島洋平外野手
スマホで撮影したキャッチボールをチェックする浅尾拓也 二軍投手コーチ 今も人気は絶大
2022年7月、左膝前十字靭帯再建術を受けた石川昂弥内野手 来月の実戦復帰を目指す
ひとりひとりの目を見ながらサインを手渡す根尾昂投手 とても感じのよい好青年
高い通路のファンからの差し入れをキャッチした郡司裕也捕手 対応は群を抜いて ていねい
8:00am 準備したサインボールとサインカードを手に現れた エース・大野雄大投手

 

2.何が良くて何が残念だった?


 良かったことは、やはり選手との距離が近いことです。打球音や捕球音、選手やコーチの声、陽射しの強さ・・・練習の雰囲気を感じながら選手たちのがんばる姿を見ていると、選手ひとりひとりをもっともっと応援したくなります。これからの試合の見方は、きっと確実に変わることでしょう。
 それに、現地でいっしょになったファンの方々と、楽しく情報交換できたことも楽しかったことのひとつでした。

負けん気の強さと安定感あるピッチングで今季も盤石リリーフの一角を担う、山本拓実投手
メディシンボールを投げ上げる柳裕也投手 移籍した京田選手から選手会長を引き継いだ
メディシンボールと自重で背筋を鍛える福谷浩司投手 復活もnoteも楽しみにしてます
キューバ代表のジャリエル・ロドリゲス投手 中日からは3人がキューバ代表入り

 残念だったことは、ファンのなかにほんの一部とても身勝手な人がいたことです。サインを欲しがった横の人に突き飛ばされて怪我しましたし、ブルペン近くでわたしの目の前に立っていた背の高い男性ファンふたりが、「おまえ押しただろ!」と喧嘩を始めて、選手に聞こえないかとハラハラしました。わたしは彼らの腕の隙間から、捕手練習に取り組む郡司選手の写真を撮っていました。

2023シーズンはふたたび捕手の練習に取り組んでいる、郡司裕也捕手

 

3.どんなスケジュールで動いたの?


 参考までにタイムテーブルをのせておきます。
 秋に予約したのでキャンプスケジュールが発表になっておらず、初日は練習休みの日でした。しかたがないので観光しつつ、選手が利用しているお店で食事をしたり、投手陣が坂道ダッシュをしていた座喜味城址へ行って走ってみたりして、“聖地巡礼”をしてきました。大雑把な計画しか立てずに、まあまあ行き当たりばったりで3人で相談しながら決めていきました。

2023.2.17~19 タイムテーブル
スポーツ報知の長尾記者おすすめ、宜野湾「メキシコ」のタコス 北谷球場から10分 おいしい!
何度も動画で観ている坂道ダッシュの聖地、座喜味城址
西日に照らされた芝は、アイヴァンド・アールの版画みたいな美しさ
柳新選手会長が、秋季キャンプの締めをした展望台と青い水平線
黄昏時のオキハム読谷平和の森球場

4.気温が違うけど、服装と持ち物は?


 服装はものすごく迷いました。というのも、ここ数日の北谷は雨が毎日のように降っていて寒そうだったからです。悩んだ結果、撥水のウィンドブレーカー(畳んでナップザックに入れておき、夜だけ着ました)と、半袖や七分袖のTシャツ、長袖の接触冷感のアンダーシャツを持っていって、日によって組み合わせ、その上にユニフォームを着ていました。
 晴れた昼間はGWの暑い日くらいの気温で、陽が沈むと急に寒くなります。北谷も読谷も海に近く、風はとても強いです。だから、風を通さない薄手のアウターと、薄手の服を何枚か準備して調節すると快適です。

 折りたたみ傘は持っていったものの、幸いなことに一度も雨は降りませんでした。もしもお天気が悪そうな予報だったら、折りたたみ傘のほかにポンチョなどがあると良いかもしれません。なぜなら、とても風が強いので傘がさせない場面も考えられるからです。
 そして、極小折りたたみ椅子も結果としては使いませんでした。次回はたぶん持っていきません。

 絶対に必要なものは、歩きやすい靴と、帽子と日焼け止めです。こんがりどころか火傷する勢いで焼けます。お風呂に入って日焼けがしみたのは、きっと小学生以来。

 

5.ぶっちゃけどれくらいお金がかかるの?


 かかった費用をざっとまとめると、こんな感じです。

 LCCの航空券と宿泊代金はネット上で秋に予約したため、全国旅行支援の対象とはなりませんでした。燃料の高騰で航空券が値上がりしていると聞いたので、早く購入したぶんだけ結果オーライだったのかも・・・?
 予約完了後は比較検討していないので、実際のところ高かったのか安かったのかはよくわかりません。
 ただし、これは春季キャンプを“ガチ”で見たかった3人の旅行代金なので、他にもたくさん観光したかったりする場合は、もう少し多めに見積もったほうが良いかもしれません。

 

6.さいごに


 今回はキャンプ第4クールということで練習試合が連日組まれていましたが、帰りの飛行機のなかでは18日に名護の練習試合を観に行った友人たちが「せっかくキャンプに来るんなら、試合より練習組を見たほうがよかったよね!」と話していました。ホーム民ならではの感想かもしれませんが、シーズン入ったら週6日観られる試合よりも、日頃見ることができない練習中の姿を見ているほうが距離も近く、楽しいと思ったからです。
 わたしの仕事の都合でこのピンポイントでしか来られなかったキャンプですが、練習を見たいとなると、本当はもっと早い第1クールや第2クールのほうが楽しめるのかもしれませんね。それはまたいつか、自分の目で確かめてみたいと思っています。

 帰ってきたばかりなのに、すぐまた行きたくなる! そんな沖縄キャンプ3DAYSでした。暖かい沖縄の空気、選手たちのエネルギッシュな練習に、とてもポジティブなエネルギーをもらったような気がします。いまの職場にいる限りそうそう簡単には行けそうにないのですが、是非ともまた行きたいし、そうするために仕事がんばろう!ってモチベーションにもなりました。

 本当は現地で見聞きしてきた選手の話も盛りこみたかったのですが、長くなっちゃったので、それはまたいつか。



ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!