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Sail Away

素敵なNEWSが 一つあるんだ 子供の頃から 夢見たことさ
大きな海に 船を浮かべて そして君に 会いに行くんだ

Sail Away Sail Away 船を出そう 君に見せたい 景色があるんだ
Sail Away Sail Away 船を出そう 君に聞かせたい 歌があるんだ

宝島を探しに行くんじゃない ダイヤモンドを掘り当てに行くんじゃない
沈む夕陽を追いかけに行くんじゃない 素敵な君に会いに行くんだ

Sail Away Sail Away 船を出そう 君と明かしたい 夜があるんだ
Sail Away Sail Away 船を出そう 君と迎えたい 朝があるんだ

暗いNEWSを吹き飛ばせ 冷たい壁をぶち破れ
諦めないで どこまで行っても海は続いてるから
だから君に 会いに行くんだ

Sail Away Sail Away 船を出そう 君と過ごしたい 時間があるんだ
Sail Away Sail Away 船を出そう 君と歌いたい 歌があるんだ
Sail Away Sail Away 船を出そう 君と叶えたい 夢があるんだ
Sail Away Sail Away 船を出そう そして君に 会いに行くんだ

*1990年、ピースボート地球一周の出航に際して作った歌です。
今でこそ、ピースボートの地球一周クルーズは多くの参加者を集め、毎年開催されていますが、僕が事務局専従として企画に加わった当時は、初めての地球一周ということで、何もかもが手探りのスタートでした。リスクの高い企画のため、日本の船会社が二の足を踏む中、ギリシャのエピロティキ社が客船のチャーターに応じてくれました。

4月に大阪事務局を立ち上げて最初に手がけた仕事は借金でした。とにかく船の契約金を作らないことには話になりません。金策と乗船者募集に走り回り、やっと見通しがついてきたと思われた8月初旬、「イラクのクウェート侵攻」という、とんでもないニュースが飛び込んできました。原油高やら為替不安やらの逆風の中、そもそもペルシャ湾が無事通航できるのかという懸念を抱えながらも、何とか出航までこぎつけることができました。

出航地のギリシャに向かう飛行機の中、突然「降りてきた」のがこの歌です。出航を前に精神状態がハイになっていたのでしょうね。歌詞とメロディーが同時に浮かび、急いで詞を走り書きで書き留め、船に乗ってからギターでコードをつけ、歌詞を手直しして完成させました。船の上で何度も歌うことになった歌です。

11月から1月までの3ヶ月のクルーズ。以下の24寄港地を巡りました。
ギリシャ(ピレウス)→マルタ(バレッタ)→チュニジア(チュニス)
→スペイン(バルセロナ)→モロッコ(タンジール)→アゾレス諸島(ポンタデルガータ)→(大西洋)→バハマ(フリーポート)→キューバ(ハバナ)→パナマ運河→ニカラグア(コリント)→メキシコ(アカプルコ)→(太平洋)→アメリカ(ホノルル)→日本(広島・長崎)→中国(上海)→フィリピン(マニラ)→ベトナム(ホーチミン)→シンガポール→スリランカ(コロンボ)→インド(ボンベイ)→イエメン(アデン)→スエズ運河→キプロス(リマソール)→ギリシャ

インド洋を航行中の1月17日、米国を中心とした多国籍軍の武力介入があって湾岸危機は湾岸戦争となりました。洋上で米軍の空母とすれ違い、頭上を戦闘機が飛んでいきました。戦争のあおりで、予定していたイスラエルへの寄港は見送らざるをえませんでしたが、ペルシャ湾とスエズ運河を無事通過し、何とかギリシャまで帰り着くことができました。

数え切れないほどのハプニングや苦労はありましたが、準備期間も含めて、地球一周プロジェクトに関わった一年は、本当に充実した貴重な経験になったと思います。当時の「勢い」みたいなものが、この歌にも表れているような気がします。船の上のみならず、その後のライブやイベントでも、とにかく盛り上がる歌になりました。一番盛り上がってるのは、歌ってる本人かも知れませんが(笑)。

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