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こどもの口腔リスクと唾液力

こどもの虫歯は年々減少してきており、これはとても喜ばしいことなのですが、ここ最近では歯肉炎がとても増えてきています。小学1年生で4.8%だったのが6年生になると14.9%にまで跳ね上がっていると言われています。

いまの子供は柔らかいものや甘いものを食べる機会が多く、一昔前と比べて歯垢が付きやすい環境にいると言えます。この歯垢を放置すると唾液中のカルシウムが過剰沈着し歯石へと変わっていきます。歯垢や歯石は虫歯や歯周病の原因となり、何も手を打たないと歯を喪失することになります。

これに加えて、このコロナ禍ではマスク着用により口呼吸の頻度が格段に上がっていることも問題視されており、口呼吸により口の中が乾燥して虫歯菌や歯周病菌の繁殖が加速され、さらに強い口臭の原因にもなります

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子どもの口腔ケアで大切なのは、
①乳幼児期に砂糖の味を覚えさせないこと
②乳幼児期のブラッシングを親が手伝ってあげること
③唾液力の向上

といわれています。

①に関しては個人的に「う~ん?」と思うこともありますが、歯ブラシイヤイヤ期に突入している子どもであればブラッシングが困難になるので一理あるのかも知れないです。また、多くの子どもが歯ブラシを嫌いになる理由の一つに歯ブラシの毛が歯茎に当たって不快である事が挙げられます。当院では国内で入手可能な、最も毛が細くてめちゃくちゃ柔らかいのにバッチリ清掃効果があるクラプロックスというスイス製の歯ブラシを取り揃えています。歯茎ごと磨くことを想定して作られているので全く不快症状がありません。カラフルでインスタ映えしてます。

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②に関しては、ブラッシングで汚れた水を見せることで歯ブラシの大切さを目に訴えることができて記憶に残りやすいのでは?と考えます。

そして③の唾液力。
唾液には歯の再石灰化に寄与するカルシウムやリン、抗菌作用のあるリゾチーム、成長ホルモンや歯を保護する糖タンパクなどの有益な物質を多く含みます。唾液がしっかりと出ることで体内への細菌・ウイルスの侵入や、虫歯・歯周病・口臭を防ぎ、食べ物の消化を助けるといった有益な作用が期待できます

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ただ、最近の子どもは食事のときによく噛まないでも飲み込める食事を摂るケースが多く、さらに水分と一緒に流し込む食べ方をすることでどんどん唾液が出なくなっていくことがわかっており、逆にしっかり噛むことで唾液腺が刺激されて唾液分泌量が上がることもわかっています
これにより、唾液力向上のためには、食生活を改善し、しっかり噛まないと飲み込めない食品を取り入れることが必要と考えられます

また、過去の記事でもお話しましたが、食品によって口腔内の細菌叢(微生物の集団)を改善するバクテリアセラピーで、さらに虫歯や歯周病にかかりにくい口腔環境を作り上げることも可能です。

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こちらも当院で取り扱っていますのでぜひお試しください!
かなりおいしかったです。

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