クラゲ 〔詩〕

ぶくぶくぶく

いつから ここにいるのだろう
いつまで ここにいるのだろう

小さな小さなまるいクラゲは
青がぎゅっとつまった液体の中
ゆらり ゆらり
たゆたっている

外の世界に憧れて
たまに
上に向かって泳いでみる

でも でも
やっぱり怖くて
ぶくぶくぶく
もとの場所まで戻ってくる

ゆらり ゆらり
ここはまるでゆりかごのよう
怖いものはなにもない

それでも ときどき
息苦しくなって
ぽとり ぽとり
透明なまるい雫をこぼす
その雫は
青の液体の中にたまってゆき
クラゲを包み込む
クラゲはその中で さらに小さくまるくなる

しばらくすると
クラゲを包み込んでいた雫たちは
ゆっくり ゆっくり 消えてゆく
クラゲは再び
ゆらり ゆらり
たゆたい始める

そして また外の世界に憧れて
泳いでみたりするのだ

ゆらり ゆらり
ぷかり ぷかり

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