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美術展レビュー

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美術展・展覧会や現代アート、旅先で訪れた美術館などのレビューです。絵の「額」を見るのも好きなので、やっぱり生で鑑賞するのがいちばん。海外は額まで含めて写真が撮れるからうれしいな~
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#展覧会

ゴッホ展すべりこみ もう今年はギリギリ鑑賞やめる!

13日で東京会期が終わってしまうゴッホ展に滑り込んできた(次は兵庫)。 わたしは毎度こんな感じで、「この展覧会行きたいな~」と手帳にメモするくせに、いつも会期終了ギリギリになって「ヤバイ、この休みを逃すともうチャンスがない」って時にようやく重い腰が上がる。 なんで観たいのに重い腰なんだろ。 飛行機使う旅にはピュッと行けるくせに、展覧会とか1時間弱の行き先にはがぜん動きがにぶる。誰かこの現象に名前をつけてくれ。 誰かと無理やり約束するしかないのかなぁ、でも展覧会は自分のペー

ゆっくりウサギや蛙を鑑賞…中之島香雪美術館で鳥獣戯画

鳥獣戯画、知ってますか。日本最古の「漫画」ともいわれています。 わたしこの鳥獣戯画に出てくる動物たちが大好きで。 めっちゃ表情豊かなんですよね。ウサギは蛙と相撲とって耳に嚙み付かれてたり、サルを追っかけてたり。口をパカッと開いてなんか蒸気?出してる蛙も、リアルなカエルの特徴とらえていてほんとかわいい。 5年前、修理後に初公開されたとき(@京都国立博物館)は、2時間並んで見たんです。その間にヘトヘトになっちゃって…。 入ってからもすし詰め状態。じっくり見たいけど止まっちゃ

将軍のヘタウマな絵「へそまがり日本美術」展

へそまがり日本美術。終わってしまう前に滑り込んできました(5月12日まで!)。 いやーとってもよかった。かなり展示替えがあったみたいだから、前期も行きたかったなぁ。 簡単に言うと、「へそまがりな感性」から日本美術を見返そう!という展示です。 <みどころ1> 日本初!「へそまがり」で美術史を俯瞰する展覧会。 中世の水墨画から現代のヘタウマ漫画まで、日本人の「へそまがりな感性」が生んだ絵画の数々を展望する初めての展覧会です。 <みどころ2> 破壊力のある作品が勢ぞろい!「お

死の影や不在を感じさせるボルタンスキー展

9月2日までのボルタンスキー展に滑り込んできた。(会期終了間際に「うわ!もう終わる!」って慌てるクセをなんとかしたい。始まった時には覚えてるのになぁ…反省) でも、空いてる夜の時間を狙ったのがよかったのか、混雑はそれほどでもなかった。 作品のタイトルやキャプションは全く置いてなくって、会場で配られるタブロイド新聞を手に、作品を鑑賞していくスタイル。 まず最初の「咳する男」の映像作品で、こっちまで苦しくなる……かぶりものをした男が、ただただ咳き込み、血を吐くという……ボル

あいちトリエンナーレ最終日 3回の抽選の結果は…

3連休は秋会期の瀬戸内芸術祭に行くつもりだったのが、台風19号で飛行機が飛ばず。一夜明けたら本当にひどい被害……実家のある茨城も福島も。落ち着いたらボランティア募集なども始まるだろうし備えたいと思う……もうこれ以上被害が広がりませんように。 行くかどうか迷ったのだけど、どうしても自分の目で見ておきたいと3連休最後に弾丸、最終日のあいちトリエンナーレに行くことにした。 理由は再開した各回40人の抽選制。3回あるチャンス全てにトライしたものの………前後賞になることもなく、ま

あいトリレビュー① アートで〝社会課題〟をとらえなおす

色々色々あったあいちトリエンナーレ。個人的には前回のあいトリよりもさらに充実していて考えさせる展示も多く、印象に残ったトリエンナーレでした。「情の時代」というサブテーマどおり、現代アートを通して、自分はこの社会問題をどうしていきたいのか、捉え直すきっかけになったなぁ。 芸術監督の津田大介が掲げたテーマ「情の時代Taming Y/Our Passion」には、「情報によって我々の感情が煽られ、それによって翻弄された人達が、今世界中で分断を起こしている。世界を対立軸で捉えるので