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あとちょっとで下りてくる

たぶん、あとちょっとなんだよ。
あとちょっとで、ここのセリフが決まるんだよ。

なんてことがたまにある。

ひとまず書いてみたけどどうもしっくりこなくて
でも、いつまでたっても正解がわからない。
仕方がないから、仮の言葉を埋めているんだけど
仮だからおさまりがすごく悪い。
きちっとハマっていないパズルみたいな感じ。

最近だと、まず半年くらい前にそういうことがあって
そのときはギリギリまで悩んで悩んで悩んだ最後の最後で
ひらめくみたいに
きれいにパチリとハマる言葉が見つかって
そりゃもうホッとしたのだけれど

つい先日書き上げた小説は、そのパチリが最後までこなくて
結局「なんとかハマった…かな?」
みたいなところで「完成」としてしまった。
おかげで、今読み返していても座りが悪いんだけど
最初に読んでくれた人が「このセリフすごくいい!」
と言ってくれたから及第点ではあるのだと思うし
今はこれで良かったのかなと思えるようになっている。
人の感想の影響ってすごい。

ちなみに、その「あとちょっと」が
どうすれば下りてくるのかは
私はいまいちわかっていなくて
うんうん唸っているときに思いつくこともあれば
散歩のときや買い物をしているとき、
掃除や皿洗いをしているとき、あるいは
山手線に乗っているときに浮かぶこともある。
逆にどうにもならずにただPCとにらめっこしていたら
ふっと下りてくることもある。

つまり、確実に下りてくる方法は
まったくもってわからないのだけれど

「あ、これで正解だ」

というのはわりとわかる。
なぜなら、言葉が下りてきたその瞬間は
すごくドラマティックというか

「ああ、これだ!これを求めていた!」

みたいな運命の鐘が鳴るような感じだったりするからだ。

きっと、運命の人と出会ったときとか
そんな感じなのかなと思う。
まあ、そういう相手に出会ったことがないから
わからないのだけれど。

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