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姿勢#11 巻き肩

デスクワーカーの約8割が巻き肩であると言われています。巻き肩を放っておくと、肩こり、首こり、腰痛になどに悩まされることになります。今回は、巻き肩について見ていきます。

■巻き肩とは

肩が内側に入り、丸まった状態のことです。身体の横のラインが丸まっています。
最初は、巻き肩だけだったのにいつのまに背中も丸くなり、猫背になってしまうケースも多く見られます。

■巻き肩の原因

●スマートフォンの長時間操作
スマートフォンを見るときは、手元をのぞき込む形になります。肩を突き出した状態が長く続く続くことで、筋肉がこわばり元の姿勢に戻らなくなってしまいます。

●長時間のパソコン作業
パソコンに向かうときも、スマートフォンを見るときと同じように肩を前に突き出しがちになります。デスクワークで1日中パソコン作業している方は、注意しましょう。

●横向きで寝る
横向きで寝ると、上半身の体重が肩にかかってきます。そのため無意識に肩の負担を減らそうと、肩を前にスライドさせて寝てしまいます。

■巻き肩のよる体の不調

●肩こり・首こり
巻き肩が原因で、肩の位置が前へとスライドすることにより首と肩を結ぶ筋肉が引っ張られます。そのため肩・首の筋肉にこりが発症します。

●頭痛
心臓から送られた血液は、肩・首を通って脳へと送られます。しかし、血液の通り道である血管が首・肩の筋緊張によって圧迫されると、血液の流れが悪くなってしまいます。そのため、頭痛(緊張型頭痛)を発症しやすくなります。

●目の疲れ・眼精疲労
スマホ・パソコンの長時間使用を続けていると、目の疲れ・眼精疲労を発症しやすくなります。
目が疲れて、一晩休んで回復する場合は眼疲労であり眼精疲労ではありません。それに対して、寝ても目の疲れや痛みが残っている場合、眼精疲労を発症している可能性があります。

●睡眠の質の低下
首は自律神経のうち、副交感神経が深くかかわっている場所になります。身体を休める際に副交感神経が優位になります。しかし、首の筋緊張によって副交感神経が圧迫されることで、身体を休める時間になっても交感神経が優位の状態が続き、睡眠の質を低下させてしまいます。

●自律神経失調症
巻き肩にともなう首・肩こり、頭痛、睡眠の質の低下などが持続することにより、自律神経失調症を発症することがあります。


■巻き肩改善のためのストレッチ

巻き肩改善のためのストレッチを紹介します。

●肩回し
-肩周りの筋肉を温めて、伸びやすくします。
1.右手を右肩に、左手を左肩に置きます。
2.その状態で左右の肘を前から後ろに大きく、ゆっくり5回回します(内回し5回)。
3.次に、左右の肘を反対方向に大きく、ゆっくり回します(外回し5回)。


肩回し:正面(左)、側面(右)

●肩から腕の筋肉を伸ばす
-縮こまった肩と腕の筋肉を伸ばします。
1.左手の手の平を壁に付けます
2.手の平を指先を背中側に向けます(下の図の右の赤丸)
3.肘を伸ばした状態で伸ばしている手と反対側に体をひねります(下の図の左の矢印)
4. 3の状態で20秒間伸ばします。
右肩・右腕についても同様に行います。


肩から腕の筋肉を伸ばす:正面(左)、後面(右)

●肩甲骨周りのストレッチ
1.手を腰の後ろで組んで、手を引き下げます
※このとき、肩甲骨を寄せるようにします。
2.この状態で20秒キープします。

※このストレッチでは、あごが上がってしまったり、腰を反らさないようにしましょう。


肩甲骨周りのストレッチ



■巻き肩改善のための習慣

・正しい座り姿勢を意識する
座り姿勢の悪さも、巻き肩を悪化させるポイントになります。正しい姿勢をキープするためにも座るときのポイントを意識しましょう。
お尻を背もたれにつけた状態で、頭から背中のラインをまっすぐに伸ばします。天井から糸で吊るされている状態をイメージしましょう。胸が開き、顔が正面を向いていれば正解です。

・スマートフォン操作時の姿勢に注意
スマートフォンを操作するときは、どうしても画面をのぞき込むような姿勢になりがちです。この前傾姿勢が巻き肩を悪化させてしまいます。肩に負担をかけないためにも、スマホは胸元ではなく顔付近で持ち、視線の正面で画面を見ましょう。また、目に負担をかけないためにも、顔から30cm以上離すようにしましょう。

・筋肉を伸ばし、正しい姿勢を維持しよう
巻き肩になると、胸の奥にあるインナーマッスルが凝り固まり、肩甲骨が前に引っ張られてしまいます。巻き肩の改善には、姿勢改善とあわせて簡単なストレッチで肩周りや背中の筋肉を伸ばすことで、正しい姿勢を維持できるようにしましょう。

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