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「ご注文はうさぎですか?」最新話の感想まとめ(まんがタイムきららMAX2024年7月号)

「すべてが、かわいい」のキャッチコピーでおなじみの、「ご注文はうさぎですか?」。本記事は、ごちうさ最新話の感想をまとめていきます。

内容の都合上、本誌のネタバレを含む文章となっています。未読の方は、あらかじめ本編に目を通してから読んでください。リアルタイムで成長していくココアたちの物語を、一緒に追いかけましょう!

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扉絵

まんがタイムきららMAX2024年7月号

森の妖精みたいなチマメがとにかくかわいすぎました…!白ワンピって、もうそれだけでかわいさの象徴じゃないですか。白い花のデザインが三人一緒なのもいいですね。チマメ隊の仲良しっぷりをよく物語っている気がします。三人寄れば文殊の知恵、と昔の人は言いました。では、チマメ隊が集まったら一体どうなるのか。それが、今月号の扉絵です。ロケーションもあって、三人の姿は本当に妖精が森の中で遊んでいるかのよう。まさに天衣無縫ですね。

絵の具が全身に付いているのは、絵筆を使って遊んだからでしょうか。ちょうど本編の中に同じシチュエーションがあります。うさぎの顔に花の模様、そして顔には、ハートマーク。この落書き、形だけでもいくつか種類があって面白いのに、三色だから誰がどれを描いたのか特定できますね。

これを踏まえた上で、もう一度今月の扉絵を見てください。想像の幅が広がって、また違った楽しみ方ができると思います。マヤの肩にある落書きも、一見すると猫のようです。が、絵の具の色が「青」だから、実はティッピーを表しているのかもしれません。

ティッピー型の青い印。マヤだけでなく、メグのスカートにも見られる。

ちなみにですが、白ワンピのチマメといえば、もう一つ。11巻2話「Everyday Level Up!!」の扉絵があります。両者の服装を比較すると、デザインはほとんど一緒です。ただし、フリルの有無など、細かい部分に関しては違いがあります。

ご注文はうさぎですか?11巻「Everyday Level Up!!」扉絵

あと、この構図でKoi先生が遠近法を使っていないのも珍しいと思いました。ただ、今月の扉絵はよく見ると、白い花が着色中なんですよね。つまり、扉絵は「視界」ではなく、「絵画」。チマメ隊と親しい誰かが、三人をモデルにして絵を描いている。そんなシチュエーションをひょっとしたら表しているのかもしれません。本編を踏まえると、描いているのは青山先生ですかね?

着色中の花。元はおそらく白色だったと思われる。

ストーリー

チノの「異変」には、あえて触れない二人。チノの性格をよく理解している。

マヤメグのチノレベルが高いのを改めて実感しました。いや何がすごいって今回の二人、チノのフォローの仕方、完璧じゃないですか…?チノが必要以上に責任を感じないためにはどうすればいいかを、よく分かっています。あのシーン、実は二人ともチノの様子には全く言及してないんですよ。表情や声のトーンからして、明らかにチノはただならぬ雰囲気を醸し出していたはずなのに、です。チノが本当に求めているのは安易な共感などではなく、無理やりにでも太陽の下に引っ張ってくれる力です。二人はそれを知っているからこそ、あえてチノの異変には言及せず、普段通りに明るく接したのかな、と。チノが弱音をこぼした時はどうなるかと思いましたが、マヤメグが一緒だと、やはり安心です。さすが大親友、さすがチマメ隊の絆。

もしもチノが一人きりだったら、チノはひょっとしたらいろいろな感情に飲まれ、挫けていたかもしれません。思えばチノにとって、祖父の「二度目の最期」は、本当に唐突でした。別れの言葉を言う時間も、心の準備をする間もなく、ある日突然「おじいちゃんのいない世界」に放り出される。もちろん、チノはおじいちゃんロスを自分なりに克服しようとしています。彼も、最愛の孫娘がそれを達成すると確信したからこそ、天国に行きました。それでも、チノが大好きなおじいちゃんと最後に一言も言葉を交わせなかったのは、動かしがたい事実で…。

泣きそうな顔のチノ。胸が痛む…。

一人きりでは無力でも、みんながいれば力になる。今月のごちうさは、そんな優しいメッセージが伝わってきます。チマメ隊にアシスタントを頼んだ青山先生。マメが支えてくれたおかげで、悲しみを乗りこえたチノ。そして、「うさぎになったバリスタ」の漫画版・最終ページもまた、チノ一人の作品ではありません。みんなのアイデアが詰まったラストです。

あの後ろ姿、いいですよね。だって、もう間違いなく11巻の最終話じゃないですか。マスターが、チノの夢と成長を見届けて、去るシーンです。あの時、彼の魂はティッピーの中から消えてしまいました。でもチノにとっては幻ではなく、確かに存在した、うさぎのおじいちゃん。漫画の中のおじいちゃんと、現実の「うさぎになったバリスタ」が重なるのには感動しました。

みんなで描いたバリスタの姿は、確かに彼の背中と重なった。

チノの中では、漫画はあくまで創作でしかないかもしれません。でも、たとえ創作だとしても、チノはおじいちゃんの最期をしっかりと見届けたんですね。私たちが、その証人です。読者だけが、あの最終ページに隠された真実を知っているんです。彼の背中は紛れもなく、「うさぎになったバリスタ」でした。

メタな視点としては、本編の随所にKoi先生の近況らしき描写があって笑いました。いや笑い事じゃないですね。青山先生みたいに、Koi先生も三日連続で徹夜していたとしたら、さすがに心配です。杞憂だったら無問題ですが、今のKoi先生は多忙でしょう。Koi先生、もしお疲れでしたら、ゆっくり休んでください…。

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